当法人が町家「be京都」にて開催していた『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』を読む講座です。
その後、場所を「紫風庵」(京都府京都市北区)に移し、『源氏物語』と三十六歌仙の写本を変体仮名で読む会を2022年10月まで開催していました。11月以降は、京都駅前の京都市大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)にて、「《池田本『源氏物語「桐壺」』を変体仮名で読む》」を開催しています。
本ページは下記の講座の詳細であり、旧サイトからの記事を一部転載しています。
■講座情報 ※現在は終了しています
・講座名 ︰「町家 de 源氏物語の写本を読む」
・会場 ︰「be京都」 http://www.be-kyoto.jp/
・所在地 ︰京都市上京区新町通上立売上る 安楽小路町429-1
・電話 ︰075-417-1315(代)
・最寄り駅︰地下鉄 烏丸線「今出川」駅下車 2番出口 徒歩5分
市バス 上京区総合庁舎前下車 徒歩4分
■詳細
・講師︰伊藤鉄也・須藤圭
・支援︰石田弥寿子
・教材︰『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』
(伊藤鉄也編、新典社、185頁、2013年刊、¥1,944)
ハーバード本「須磨」画像
・開催日時︰毎月 第4土曜 14時~16時
・受講料:5回 10,000円 一括払い
NPO会員 7,000円 一括払い
途中スポット参加 1回 2,000円
体験参加 1,000円
各種イベント(講演・座談会・聞香・着装・お茶と和菓子)の参加費は、各1,000円
・今後の予定︰来月7月29日は体験扱いで参加費1,000円
本年8月~12月 5回10,000円
・主催︰NPO法人〈源氏物語電子資料館〉
■参加申し込み及び問い合わせ
当法人代表のブログ(当時:鷺水庵より)のコメント欄または、電子メール(npo.gem.info@icloud.com)に、お名前、連絡用メールアドレス、都道府県名、年齢、(可能な範囲で)簡単な自己紹介をお知らせください。
折り返し返信のメールを差し上げます。
この[町家 de 源氏の写本を読む]集まりは、勉強会であることはもとより、いろいろな意見交換の場でもあります。
資料の準備がありますので、前日までに当法人代表のブログか上記電子メールアドレスに連絡をいただけると幸いです。
■活動記録
★をクリックすると、当法人代表のブログ[たつみのいほりより]にジャンプします。
■第0回(2017/07/29 実施)★
・ハーバード大学本「須磨」についての確認。
・「へ」の字母は「部」とされていることについて、意見交換。
・『土左日記』と『土佐日記』についても話題になる。
■第1回(2017/08/26 実施)★
『ハーバード大学美術館蔵『源氏物語』「須磨」』の第一丁表の本文異同から確認。
・書写されている文字が行をはみ出して、前後の行とぶつかるような箇所を話題に。
■第2回(2017/10/28 実施)★
・09月17日に予定していた会は台風で休会。
・今回は2回目。『源氏物語』「須磨」巻を読み進める。
・第2丁裏から第3丁表まで。
・今回の確認と考察。一行に「れ」が崩し方を変えて3例もあったことについて 他。
■第3回(2017/11/25 実施)★
・3丁裏から5丁表まで。
・問題点となったことは、文字のなぞり書きについて。
・前後の文字と墨の色と太さが違うことから、後の筆が加わっているのではないか。
■第4回(2017/12/16 実施)★
・4回目、5名参加。
・5丁裏1行目から6丁表最終行までの見開き2ページ分。
・写本中の黒い点は中黒点か虫損か。
・テキスト本に誤読アリ→正確な翻字は『国立歴史民俗博物館蔵『源氏物語』「鈴虫」』
(伊藤鉄也・阿部江美子・淺川槙子 編著、新典社、2015年10月刊行)の巻末に掲載。
■第5回(2018/01/28 実施)★
・4名参加。
・今回注目した点は「なぞり」
・本文「まことに」(7丁表4行目)、本文「いえはえに」(7丁裏6行目)、
本文「夜部」(11丁裏3行目)「夜」の「なぞりナシ」について
■第6回(2018/02/24 実施)★
・『源氏物語画帖』の詞書の「開」という漢字をどう読むか
・16丁裏の最終行、文字のナゾリ
・行末や丁末には書写ミスが多い
・書写ミス→削るまたは重ね書き=親本の字母を忠実に写し取ろうとしている
と思われる。
■第7回(2018/03/31 実施)★
・体験参加者2名
・糸罫を例に、書写の実態を説明
・次回、糸罫の複製を確認する
・テキスト本文の確認
■第8回(2018/04/21 実施)★
・糸罫の試作品を紹介
・本日確認分 6丁裏の書写について
指で行間を広げているのか?それとも糸罫はなしなのか?
・行の最後の一文字のナゾリは、糸罫使用時に小さく書き、
その後に改めてなぞったのか。
・行間が狭い部分(二行分が他の行とは違う幅)についてはどう考えていくか。
■第9回(2018/05/26 14:00~16:00)★
・7丁表3行目の「よろつの・ことよ里・こゑて・」から
8丁表行頭の「いて・多満ふ尓・あ里阿遣の」へと進む。
・8丁表5行目行末の「秋」まで読む。
・書き方を見て、糸罫が動いて行が少しゆがんだ、ということを推測。
■第10回(2018/06/18 14:00~16:00)★
・いつもと異なる月曜日実施。
・しかし、地震のための交通機関の麻痺により、2名で実施。
■第11回(2018/07/28 14:00~16:00)★
・8丁表6行目行頭の「の【夜】能」から
・中国版の糸罫らしいものの話
(方形で中が刳り貫かれた枠、特大級から小型まで全部で5種類がワンセット)
・石田さんの新作の糸罫の話
■第12回(2018/09/22 14:00~16:00)★
・先月アメリカのハーバード大学で調査をしてきた原本の話
(今読み進めているテキストの原本)
・8丁裏の1行目から3行目まで読む。
■第13回(2018/10/14 16:00~18:00)★
・8丁裏3行目の「の多まへ八」から読む。
・歴博本「鈴虫」の「う」から、字形を照合する。
また、8丁裏に見られる「支・す・ま」が紛らわしい字形であることを確認。
・8丁裏の3行目「の多まへ八」から9丁表の3行目「給て」まで読む。
・平仮名、簡体字、繁体字、ハングル等の話
■第14回(2018/11/24 14:00~16:00)★
・9丁表4行目の光源氏の歌「とりへ山」から読む。
■第15回(2018/12/22 実施)★
・9丁表6行目「あ可【月】の」から9丁表の最終行までを読む。
・「【思】日」の「日」の文字の形の不自然さ。
「い徒と・那く」の「と」も、「を」に見える。
よって、このあたりは書写者がそれまでと異なるのでは?
18丁と19丁は、特にその違いが顕著にあらわれている。
■第16回(2019/01/20 10:00~12:00)★
・9丁裏1行目の「ましくおもふ多まへらるゝ【程】可那と」から。
■第17回(2019/02/23 14:00~16:00)★
・「寿」は写本の行頭に書写されているのに、「春」と「須」は行頭にはない。
・「寿」は語頭に来るのに、「春」と「須」は語頭には来ない。
・「須」は打ち消しの「ず」として使われる比率が高い。
・「須磨」の文字表記は、「寿満」3例、「春満」1例、「春ま」1例
・「娘」の文字表記は、「む須免」3例、「む寿免」1例
■第18回(2019/03/23 14:00~16:00)★
・ルーマニアで入手した『源氏物語』2冊、『落窪物語』、『枕草子』、
ビルマ語訳『源氏物語』の既刊分6冊を回覧。
・9丁裏3行目末尾の「思・給」から読み始め。
・「か(加)」「ま(末)」の字形についての疑問。
・今後も、現行の字体と異なる文字に注意して読み進めていく。
・10丁裏7行目の「可遣もなし」まで確認完了。