当法人では、寄贈していただいた以下の資料を所蔵しております。
本ページはその所蔵本の紹介です。
■東山御文庫蔵『御物 各筆源氏』復刻版 (ぎょぶつ かくひつげんじ)
・監修:財団法人 日本古典文学会
・刊行:貴重本刊行会
・時代:1986年12月 もともとは鎌倉時代中期の写本
●参考情報
別冊の『東山御文庫蔵 源氏物語(各筆源氏)解題』(阿部秋生、秋山虔、池田利夫編、日本古典文学会・貴重本刊行会、昭和61年11月)の巻頭にある「書誌」(池田利夫担当)より引用
(1)収納箱
・本体を収納する金蒔絵の塗箱、これを覆う黒塗の外箱
・蓋をした状態で縦四一センチ、横二五・二センチ、高さ二八センチ。
・四つの抽出しに『源氏物語』五四帖を分納
・それぞれに斐紙で包んだ小形の色紙が配され、収納されている抽出しごとの巻名が記されている。
(2)本体書誌
・すべて一巻一帖仕立ての写本五四帖、列帖装の六半本。
・巻ごとの寸法は縦は一六・○~一五・五センチ、横は一五・六~一四・八センチと、相互の差は最大でも一センチに満たない。
・題簽は各巻共通で、赤褐色無地の縦七・九センチ、横二・八センチ(桐壺)ほど。 ・見返しは金箔に空押しで、梅・撫子・繋輪・菊・薄・唐草・小松・千鳥・萩のいずれかの模様が浮き立たせてある。
■写真の出典 NPO-GEMに寄贈していただいた『御物 各筆源氏』(復刻版)2018年11月27日(火)
■『絵入源氏』(えいりげんじ)
・内容:挿絵入り源氏物語
・巻数:本文54帖54冊、「源氏目案」3冊、「引歌」1冊、「系図」1冊、「山路の露」1冊
・編者:山本春正
・時代:江戸時代
・挿絵:226枚
『源氏物語』の版本。挿絵入りである。
本文に読点・濁点・ふりがなと傍注が付されている。
編者は山本春正。初版は慶安3(1650)年で、無刊記本。
『源氏系図』・『山路の露』・『源氏引歌』・『源氏目案(源氏目安)』とともに60冊で刊行された。
山本春正の編集ではない万治3(1660)年版や、寛文年間(1661~1672)に刊行された無刊記本もある。
■寄贈本の『絵入源氏物語』
慶安3(1650)年版の無刊記本。
・『源氏系図』『山路の露』『源氏引歌』『源氏目案(源氏目安)』を含めて60冊。
・識語によると底本は、後崇光院(伏見宮貞成親王・後花園天皇の父)から一条兼良の手を経て、永正元(1504)年7月に比叡山の権僧正が書写した本である。漆山文庫の印がある。
(1)跋の末尾
慶安三年仲冬蓬衡●品山氏春正謹跋 ※●は「くさかんむり」+「最」
(2)54巻末にある識語
写本云/抑此本者後崇光院宸翰桃園入道殿/下校再治候者也尤以以為証(證)本者也惣/而八種異本在候/永正元稔七月日 台嶺末学権僧正在判
■『古今類句』(ここんるいく)
・内容:和歌索引
・巻数:10巻
・編者:山本春正
・時代:江戸前期
・発行:1666年刊
・詳細:『二十一代集』・『六家集』・『伊勢物語』・『大和物語』・『源氏物語』・『狭衣物語』などの歌を、下句の頭字によっていろは順に分類、検索できるようにしたもの
山本春正が編集し、寛文6(1666)年5月に長男である景正が刊行した和歌の索引。
始めに「古今類句目録」がおかれ、和歌の出典となった作品と収録した数が掲載されている。
それによると、勅撰二十一代集の他には、准勅撰集の新葉和歌集、私家集の『秋篠月清集』・『拾玉集』・『長秋詠藻』・『拾遺愚草』・『壬二集』・『山家集』・『拾遺愚草員外』、物語では『伊勢物語』・『大和物語』・『源氏物語』・『狭衣物語』である。
和歌を第四句により、いろは順に分類し、下の句に対して上の句や作者・出典を検索できるようになっている。
『国歌大鑑』の先駆とも言われる。10冊本・11冊本・15冊本・19冊本・36冊本があるが、内容は同じである。その他、刊年不明の版本・21冊の写本・『類句和歌集』(60冊)がある。
■寄贈本の『古今類句』
寛文6(1666)年版の36冊本である。大黒天が描かれた貼り紙の上に蔵書印がおされている。
(1)奥書
寛文六丙午歳五月日 山本春正集焉/春日西洞院通田中町/同姓景正開板
(2)構成
(1冊)い(2冊)は(3冊)に(4冊)ほへ(5冊)と(6冊)ちり(7冊)ぬる(8冊)を(9冊)わ(10冊)か(11冊)よ(12冊)た(13冊)そ(14冊)つ(15冊)ね(16冊)な(17冊)らむ(18冊)う(19冊)ゐの(20冊)お(21冊)く(22冊)や(23冊)ま(24冊)け(25冊)ふ(26冊)こ(27冊)え〈江〉て(28冊)あ(29冊)さ(30冊)き(31冊)ゆめ(32冊)み(33冊)し(34冊)ゑひ(35冊)も(36冊)せす
大黒天の貼り紙
漆山文庫の印