研究発表(オンライン版)


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・掲載にあたっては、未発表の論稿の場合には、最終稿か未定稿かの別を明示しました。
・既発表の論稿の場合には、必ず各掲載先の許可を得ることを原則としています。
・本資料館は横書き表示であるために、元原稿が縦書きである場合に特有の数字・
記号などは、適宜表記を改めることがあります。

「別本群の中の保坂本と東大本 ー澪標の場合ー」(草稿の一部)伊藤鉄也

掲載誌名:未発表草稿(平成8年10月、〈源氏物語電子資料館〉に掲載)
内容要旨:いわゆる別本とされる『源氏物語』の本文を持つ巻を含む写本群が、いくつか確認されている。東京国立博物館現蔵(保坂潤治旧蔵)の保坂本と東京大学附属図書館(青州文庫)所蔵の東大本は、その中でも調査が遅れているものである。本草稿は、1)保坂本と東大本はほぼ同一の本文を持つこと、2)両本の異同箇所のほとんどは付属語に関するものであること、3)東大本の傍記のほとんどは保坂本と同類の本文で校訂したものであること、などを検証するものである。

「澪標巻の別本 ー東大本を中心にしてー」伊藤鉄也

掲載誌名:『源氏物語小研究 創刊号』28頁〜37頁(平成2年5月、源氏物語別本集成刊行会)
内容要旨:東京大学付属図書館所蔵の源氏物語のうち、別本とすべきものの概要と、「澪標」の本文異同の傾向をまとめたものである。これまでは、「澪標」には別本としての資料がなかった。未整理のままであった別本研究が進捗するとともに、新たな作品の読みも深められていく可能性がでてきた。また、東大本と命名した本書は、保坂本と類似する本文を伝流するものである。これまでに本書への言及が皆無であっただけに、今後の研究において貴重な補助資料となるはずである。

「源氏物語電子資料館の構想」伊藤鉄也

掲載誌名:『大阪明浄女子短期大学紀要 第10号』73頁〜98頁(平成8年3月)
内容要旨:本〈源氏物語電子資料館〉は、パーソナル・データベースの資料的な質の向上において、有益な各種情報を提供することを目指して構築されている。つまり本ホームページは、〈『源氏物語』に関する映像・音声・文字によるデータを、書斎のパソコンで取り扱えるようにした情報群の窓口〉としての役割を果たすものである。『源氏物語』を読解するための情報の整理を、現時点で私案として提示したものである。

「八人会蔵『探幽筆 三拾六哥仙』について」伊藤鉄也

掲載誌名:『大阪明浄女子短期大学紀要 第8号』27頁〜42頁(平成6年3月)
内容要旨:明浄短大の海外研修旅行の途次、パリの古書店で見つけた『探幽筆三拾六哥仙』について、その歌仙絵の研究資料としての原形態と、その制作過程を考察するものである。本絵巻は、保存・備忘・研究のための模本ではなく、実際に利用・活用された紛本である形跡が多々認められる、貴重な資料であることがわかった。ただし、本模本をもとにして描かれた一式の歌仙絵は、現在のところは確認できていない。


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