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海外における源氏物語


源氏物語


英語

1

GENJI MONOGATARI

Murasaki Shikibu/Kenchio Suyematz [1855-1920]
東京 [日本] : Sankakusha(三角社)
1934.(Ⅰ).77p.19cm./『源氏物語』/英語

 末松謙澄(すえまつけんちょう)による『源氏物語』の英訳。同作品の翻訳としては世界初のもので、初版は1882年、Trubner & Co.(トルブナー社・ロンドン)より「桐壺」から「絵合」までを出版。但し出版年はその前年とする説もある。日本でも1894年に丸善から「英文日本文庫」シリーズの2巻目として出版。ちなみに同シリーズの1巻目はF.V.Dickinsによる『忠臣蔵』の英訳であった。
 本書は三角社による1934年2月の出版。定価90銭。「桐壺」から「空蝉」までを収める。表紙は桐の葉のイラストと「賢木」の源氏香の図。各巻のはじめにイラスト(「桐壺」は桐の葉、「帚木」は燭台、「空蝉」は蝉)と各巻の源氏香の図をあしらっており、その「桐壺」のものを表紙にしたのである。ただし「桐壺」には源氏香の図がないために「賢木」の図を用いたが、これは通例である。それらのイラストおよび源氏香の図は丸善版にもあるが、葛飾北斎「風流源氏うたがるた」(1809)のデザインによく似ており、図案の定型化など何らかの関連が認められよう。
 丸善版には(恐らくはトルブナー社初版にも)「JUSAMMI TOKOOGAWA」への謝辞(Nov.1881付)を載せるが、この三角社版にはない。著者による序文はある。なお、「JUSAMMI TOKOOGAWA」とは「従三位徳川」のことで、徳川家達(1863-1940)のことだという(ケンブリッジ大学附属図書館・小山騰氏のご教示による)。
 末松は1855年(安政2)、豊前国京都(みやこ)郡前田村(現福岡県行橋市)の生まれ。伊藤博文に重用され、1878年、在英日本公使館一等書記生見習として渡英、1881年、ケンブリッジ大学に入学。『源氏物語』の英訳はこの時期のものである。帰国後、衆議院議員、逓信大臣、内務大臣などを歴任。
 表紙に「文學博士」とあるが、末松は1889年の学位令発布にともない、日本初の文學博士号を授与されている。〔大内〕

2

GENJI MONOGATARI

Murasaki Shikibu/Kencho Suematsu [1855-1920]
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
1974.227p.18cm./『源氏物語』/英語

 末松謙澄による『源氏物語』の英訳。1974年Charles E. Tuttle Companyより出版。オリジナルは1882年(明治15)、トルブナー社(ロンドン)。本書には著者による序文の前にTerence Barrow(Ph.D.)による「Introducion To The New Edition」がある。この新版序文は平安時代、源氏物語、紫式部などについての概説で、末松にはほとんど触れていない。1900年にColonial Pressからロンドンとニューヨークで出版された『Persian and Japanese Literature』(全2巻)に収められているものだとあるのみである。
 表紙は国宝『源氏物語絵巻』「宿木三」。丸善版や三角社版(冊子番号1)に見られた各巻初のイラストと源氏香の図はない。〔大内〕

3

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Kencho Suematsu [1855-1920]
Boston [アメリカ] : Tuttle Publishing
2000.227p.20cm./『源氏物語』/英語

 末松謙澄による『源氏物語』の英訳。Tuttle版(冊子番号2)の新装版。2000年。Terence Barrowの新版序文、著者序文等、内容構成に変化なし。
 表紙は雪景色の中で男女が舟に乗っている浮世絵で、扉には「Cover Art © Utagawa Hiroshige, "Prince Genji with his lover in a boat admiring the snow in the garden," 1830, color woodblock print on paper. Bass Museum of Art, Miami Beach, Florida, USA」とする。すなわちBass Museum of Art所蔵の1830年(文政13・天保1)の歌川広重による浮世絵「舟の上から庭の雪を鑑賞する光源氏と恋人」とでもなろうか。だが絵をよく見ると、まず右上方の貝合の貝のデザインに「むらさき式部げんじかるた」「五十一 浮舩」とあり、「浮舟」の絵であることが知られるから、画中の人物は光源氏とその恋人なのではなく、匂宮が浮舟を宇治川対岸に連れ出す場面としなければならない。正しくは二代国貞(三代豊国、1786年(天明6)-1864年(元治1))の「紫式部源氏かるた」シリーズ(1857年・安政4)の中の1枚である。表紙右下に国貞の「國」の字が見える。〔大内〕

4

  • THE TALE OF GENJI
  • THE SACRED TREE : being the second part of "The tale of Genji"
  • A WREATH OF CLOUD : being the third part of "The tale of Genji"
  • BLUE TROUSERS : being the fourth part of "The tale of Genji"

Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966]
London [イギリス] : George Allen & Unwin
1925.300p.22cm./『源氏物語』/英語
London [イギリス] : George Allen & Unwin
1926.304p.22cm./『源氏物語』/英語
London [イギリス] : George Allen & Unwin
1927.312p.22cm./『源氏物語』/英語
London [イギリス] : George Allen & Unwin
1928.333p.23cm./『源氏物語』/英語

Arthur Waley訳 『源氏物語』 の初版。正篇を4巻に分ける。濃紺の表紙に金の背文字。
 第1巻は、「桐壺」~「葵」を収める。書名は、「源氏物語(The Tale of Genji)」。内容は、序文、主要人物リスト(26人)、系図、本文、附録。附録では、紫式部の簡略な年譜と、伊勢の斎宮と賀茂の斎院の説明(The Vestal Virgins of Ise and Kamo)を付す。
 第2巻は、「賢木」~「松風」を収める。書名は、「賢木(The sacred tree)」。内容は、序文、主要人物リスト(33人)、系図、第1巻の要旨、解説を付す。序文において『源氏物語』の作者や『源氏物語』が書かれた時代の日本の文学についての質問を受けた事を述べ、解説で、『源氏物語』以前の日本の物語について(Fiction in Japan previous to the Tale of Genji)、紫式部の芸術(the art of Murasaki)、本文について注記(note of the text)に分けて説明をする。
 第3巻は、「薄雲」~「野分」を収める。書名は、「薄雲(A Wreath of cloud)」。序文、主要人物リスト(39人)、第1、2巻の要旨と、解説を付す。解説では、紫式部について(Murasaki)、『源氏物語』の成立(the composition of Genji)、源氏の一族(on Genji's household)、『源氏物語』の年立(on the time-scheme in Genji)について説明する。
 第4巻は、「行幸」~「幻」を収める。書名は、「藤袴(Blue trousers)」。これまでの巻とは違い、巻頭の巻ではないものをタイトルにする。内容は、主要人物リスト(42人)、第4巻当初の状況の説明、本文となっている。Arthur Waley訳では、「鈴虫」は訳されていない。
 Arthur Waleyは、イギリスの日本文学者。ケンブリッジ大学出身。中国絵画史、思想史、日本文学等を研究。Arthur Waleyの評伝として宮本昭三郎『源氏物語に魅せられた男』(新潮社 1993)がある。〔大野〕

5

  • THE LADY OF THE BOAT : being the fifth part of "The tale of Genji"
  • THE BRIDGE OF DREAMS : being the second volume of "The lady of the boat" and the final part of "The tale of Genji"

Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966]
London [イギリス] : George Allen & Unwin
1932.309p.22cm./『源氏物語』/英語
London [イギリス] : George Allen & Unwin
1933.341p.22cm./『源氏物語』/英語

 Arthur Waley訳 『源氏物語』 の初版。続編を2巻に分ける。緑色の表紙に金の背文字。
 第5巻は、「匂宮」~「宿木」前半を収める。書名は、「浮舟(The lady of the boat)」。収録されていない巻名をタイトルにする。内容は、序文、主要人物リスト(28人)、本文。序文に、「For this volume I have used Dr.Kaneko’s new edition.(この巻には、金子博士の新版を用いた)」と、金子元臣『定本源氏物語新解』(明治書院 1925-1930)を参考にしている旨を記す。
 第6巻は、「宿木」後半~「夢浮橋」を収める。書名は、「夢浮橋(The bridge of dreams)」。6巻の「宿木」は、浮舟の存在を知った薫が久々に宇治を訪れる場面から始まる。内容は、解説、主要人物リスト(26人)、第5巻の要旨と正誤表、本文となっている。〔大野〕

6

THE TALE OF GENJI : A Novel in Six Parts

Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966]
New York [アメリカ] : Randam House
1960.1135p.21cm./『源氏物語』/英語

 Arthur Waleyによる『源氏物語』の英訳。1925年から1933年までの6度の出版により完結した(但し「鈴虫」欠)ものを1冊本としたもの。
 「A Novel in Six Parts」というのは、6度にわけて出版された際にそれぞれ「The Tale of Genji」「The Sacred Tree」「A Wreath of Cloud」「Blue Trousers」「The Lady of the Boat」「The Bridge of Dreams」というタイトルがつけられたものを本書のように1冊本として出版する場合にも章立てとして用いたことによる。
 表紙カバーは国宝『源氏物語絵巻』「御法」。〔大内〕

7

THE TALE OF GENJI

Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966]
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
1971.1V.537p.18cm./『源氏物語』/英語
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
1971.2V.598p.18cm./『源氏物語』/英語

 Arthur Waleyによる『源氏物語』の英訳。1970年、Charles E.Tuttle Companyより出版。本書は1971年2刷。1925年から1933年までの6度の出版により完結した(但し「鈴虫」欠)ものを2冊本とし、一つの函に収めたものである。
 Vol.1にPart OneからThree(「桐壺」から「野分」)、Vol.2にPart FourからSix(「行幸」から「夢浮橋」)を収める。
 UNESCOの「日本の翻訳書」シリーズの1冊。表紙は土佐光吉筆『源氏物語画帖』。Volume1の表紙は「末摘花(2)」、裏の絵が「早蕨」。Volume2の表紙は「橋姫」、裏が「野分」。〔大内〕

8

THE TALE OF GENJI

Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966]
東京 [日本] : Tuttle Publishing
2002.1V.537p.21㎝./『源氏物語』/英語
東京 [日本] : Tuttle Publishing
2002.2V.541-1135p.21㎝./『源氏物語』/英語

 Arthur Waleyによる『源氏物語』の英訳。本書は、1970年にCharles E.Tuttle Companyから出版されたものの新装版。箱入りの2冊本、第13刷。冊子番号7同様、第1巻は「桐壺」~「野分」、第2巻は「行幸」~「夢浮橋」を収める。各Partごとに主要登場人物の紹介がある。
 第1巻と第2巻の表紙は、光源氏が若紫をかいま見する場面が一続きの絵となっている。箱のデザインも同じ絵を用い、箱の背表紙には伏籠がくる配置となっている。表紙には、「Arthur Waley's translation of Lady Murasaki's masterpiece (紫式部の傑作をArthur Waleyが翻訳)」と記す。裏表紙には、「本書の知識は、シェークスピアやプルーストの作品と同じく人生の楽しみを与えます。」というDaily Telegraphの記事、『源氏物語』の簡単な説明、紫式部やArthur Waleyの略歴を載せる。
 Arthur Waleyの翻訳は、近年、研究者によって「鈴虫」の省略や「御法」の大幅カットなど、加筆や省略、誤訳などが指摘されてきている。〔河〕

9

LA SIGNORA DELLA BARCA IL PONTE DEI SOGNI

Murasaki Shikibu/Piero Jahier [1884-1966]
Milano [イタリア] : Bompiani(ボンピアーニ)
1981.473p.21cm./『源氏物語』/イタリア語

 Arthur Waley訳『源氏物語』のイタリア語訳。「匂宮」から「夢浮橋」までを収める。1944年~1947年のPiero Jahier(ピエーロ・ジャイエ)によるイタリア語訳を、1981年にNuovo Portico(ヌオヴォ・ポルティコ)シリーズ第26・27として出版。なお、2002年にTascabili Bompiani(ポケットブック版)も出版されている。
 構成は2部立て。Arthur Waley訳の初版同様(冊子番号5参照)、「La signora della barca(浮舟)」は、「匂宮」から「宿木」の前半、「Il ponte dei sogni(夢浮橋)」は、「宿木」の後半から「夢浮橋」までを収める。Alfred Giuliani(アルフレード・ジュリアーニ)による序文、主要登場人物の一覧表、正編のあらすじを載せる。
 Piero Jahierの翻訳では、「紅梅」「竹河」「蜻蛉」を訳出していないため、Pier Francesco Paolini(ピエール・フランチェスコ・パウリーニ)の翻訳でこの3巻を補う。翻訳は、脚注の部分などもArthur Waley訳をそのままイタリア語に訳す。但し、冒頭「Avvertenza(注意)」によれば、文中における日本語の表記は、「Ghengi(源氏)」「Kasciwagi(柏木)」などPiero Jahier独自の表記法により、序文及び後補の3巻もJahierの表記に揃える。
 翻訳者Piero Jahierはイタリアの作家。著作に、『Ragazzo(若者)』(1919)、『Con me e con gli Alpini(わたしと山岳兵たちとともに)』(1919)、『Ragazzo e prime poesie(若者と初期の詩)』(1939)などがある。〔山田〕

10

STORIA DI GENJI IL PRINCIPE SPLENDENTE : Romanzo giapponese dell'XI secolo

Murasaki/Adriana Motti
Torino [イタリア] : Einaudi
1992.1V.493p.20cm./『源氏物語』/イタリア語
Torino [イタリア] : Einaudi
1992.2V.497-1036p.20cm./『源氏物語』/イタリア語

 Adriana Motti(アドリアナ・モッティ)によるArthur Waley訳『源氏物語』のイタリア語訳。箱入りの2冊本。「Einaudi tascabili」シリーズ第83号。第1巻は「桐壺」~「松風」、第2巻は「薄雲」~「幻」(「鈴虫」欠)を収める。本文の前に、登場人物一覧を挙げる。 
 外箱の絵は、国宝『源氏物語絵巻』「宿木三」の中の君のもとに訪れた匂宮が琵琶を弾く場面を用いる。第1巻の表紙は、同じく「東屋二」の薫の来訪を描いた場面であるが、浮舟、弁の尼、乳母、取り次ぎの女房の4人の部分のみ正方形に切り取って用いる。第2巻の表紙は「東屋一」。浮舟が中の君のもとで物語絵を眺める場面だが、これも当の浮舟ではなく、側の几帳の後にいる女房をクローズアップしている。
 序文は、Giorgio Amitrano(ジョルジュ・アミトラーノ)による。柏木・女三宮・玉鬘等のそれぞれの物語、紫式部、Ivan Morrisについて述べる。また、「幻」までは光源氏が登場し、それ以降は宇治を舞台に薫が登場すること、Arthur Waleyの訳が原文とずれていること、巻の順序が違うかもしれないこと等を指摘している。本書は、イタリアの大学生が使う教科書としても採用されている。
 Giorgio Amitranoは、現ナポリ大学教授。論文「共通の感受性を求めて」(小島 孝之・ 小松 親次郎編『異文化理解の視座―世界からみた日本、日本からみた世界』東京大学出版 2003)がある。
 出版社Einaudi(エイナウディ)は、イタリアのTorinoにあり、60年以上の歴史を誇る。Torinoの知識人社会の一大中心。〔菅原〕

11

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ]
New York [アメリカ] : Alfred A.Knopf
1976.1V.521p.25cm./『源氏物語』/英語
New York [アメリカ] : Alfred A.Knopf
1976.2V.523-1090p.25cm./『源氏物語』/英語

 Edward G.Seidenstickerによる『源氏物語』の英訳の初版。ハードカバー2冊本セット。箱入り。外箱には、桃山時代に描かれた作者未詳『秋草図』の一部分を用いる。第1巻は「桐壺」~「梅枝」、第2巻は「藤裏葉」~「夢浮橋」を収める。底本は、『日本古典文学大系』(岩波書店)で、その他『日本古典文学全集』(小学館)、玉上琢弥著『源氏物語評釈』(角川書店)、円地文子・谷崎潤一郎・与謝野晶子の現代訳を参照する。本文の前には、登場人物の紹介がある。本文の挿絵は、山本春正編『絵入源氏物語』(1650)。山本春正は、江戸時代に蒔絵師を本業とした地下歌人。編集と同時に全226図の版下を描いたとされ、専業の絵師が出現する以前の大作として注目すべきものである。
 序文は翻訳者Edward G.Seidensticker自身による。紫式部の略伝、『源氏物語』全般の紹介やそれまでの『源氏物語』の翻訳、今後の翻訳の問題点などに触れている。また翻訳に際し、難しかったのは、登場人物の名前であり、次いで枕詞であると述べる。最後に、Arthur Waley訳について、Waleyが加えた登場人物の特徴などが、それぞれのシーンの雰囲気を変え、優れたものになっていると認める反面、かなり自由な翻訳で、文章の区切りが多いことなどを批判している。
 Edward G. Seidenstickerは、アメリカのコロラド州生まれ。コロンビア大学出身。川端康成や谷崎潤一郎の翻訳、『現在日本作家論』『東京下町山の手』の著書がある。日本翻訳文化賞を3度、川端康成『山の音』で翻訳部門(1970)の全米図書賞、日本文学を世界に紹介した功績で旭日三等勲章を受賞している。〔河〕

12

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ]
New York [アメリカ] : Alfred A.Knopf
1978.1090p.25cm./『源氏物語』/英語

 1976年に同社が出版したEdward G. Seindensticker訳『源氏物語』 のハードカバー2冊を1冊にまとめたペーパーバック版。内容、紹介、主要登場人物の説明などに至るまで初版と同じである。表紙も『秋草図』を用いる。〔河〕

13

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Edward G. Seidensticker[1921- ]
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
1978.1V.521p.18㎝./『源氏物語』/英語
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
1978.2V.523-1090p.18㎝./『源氏物語』/英語

 1976年にAlfred A.Knopf社が出版したEdward G. Seindensticker訳『源氏物語』のCharles E.Tuttle社版。箱入りの2冊本セット。内容、挿絵ともAlfred A.Knopf社と同様であるが、外箱および表紙は、円山応挙筆『藤花図』を用いる。また、前後の見返しの部分には、Alfred A.Knopf社のものにはない『源氏物語』や紫式部、翻訳者Seindenstickerについての紹介を載せる。〔ガンデルスカ〕

14

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ]
NewYork [アメリカ] : Vintage Books
1985.238p.21cm./『源氏物語』/英語

 1976年にAlfred A.Knopf社が出版したEdward G.Seidensticker訳『源氏物語』から、「桐壺」「夕顔」「若紫」「紅葉賀」~「澪標」「絵合」を抜粋。本文中には、初版と同じように、山本春正編『絵入源氏物語』の挿絵を掲載し、主要登場人物一覧を付す。
Edward G.Seidensticker自身によるVintage版の序文が8頁がある。その中で、「帚木」「空蝉」「末摘花」「蓬生」「関屋」は物語の主旨ではないため省略する旨を記す。表紙、裏表紙は土佐光吉[1539-1613]筆『関屋図』の一部を用いる。〔狩集〕

15

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ]
London [イギリス] : Everyman's Library
1992.1184p.22㎝./『源氏物語』/英語

 本書は、Edward G. Seindensticker訳 『源氏物語』の Everyman's Library版。ハードカバー2冊本の初版を1冊にまとめる。白と黒を基調としたカバーに「The Tale of Genji」と赤い細字で書く。
 Edward G.Seidensticker自身によるEveryman's Library版の序文があり、本文の前に、750年から1120年までの西暦・紫式部の年譜・文学的背景・歴史的事項の4項目をあわせた年表を掲載する。内容は初版とほぼ同じだが、山本春正編『絵入源氏物語』の挿絵はない。〔菅原〕

16

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Edward G. Seidensticker [1921- ]
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
2002.1V.521p.21㎝./『源氏物語』/英語
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
2002.2V.522-1090p.21㎝./『源氏物語』/英語

 本書は、Charles E.Tuttle社版のEdward G. Seindensticker訳『源氏物語』の第16版。箱入りの2冊本セット。
 内容は、冊子番号12と同じ。但し、外箱の絵は「朝顔」の雪まろばしの場面。本の表紙も同一の絵を用い、第1・2巻が一体となる構図である。〔ガンデルスカ〕

17

GENJI & HEIKE : Selections from The Tale of Genji and The Tale of the Heike

/Helen Craig McCullough
California [アメリカ] : Stanford University Press
1994.490p.24cm./『源氏物語』『平家物語』/英語

 Helen Craig McCullough(ヘレン・クレイグ・マカラウ)による『源氏物語』と『平家物語』の抄訳。1冊の本に各物語から部分的に収録。
 『源氏物語』は10章に分ける。「桐壺」~「明石」「若菜下」「御法」を収め、全体を訳す巻と一部を訳す巻がある。底本は、『日本古典文学大系』(岩波書店)を用いる。巻名の下には笹竜胆の家紋を掲載。『平家物語』は、原文の全12巻と同様、12章に分けて抜粋して訳す。『平家物語』の場合は揚羽紋を掲載。
 Helen Craig McCulloughは、『Yoshitsune(義経)』『A Tale of Flowering Fortunes(栄花物語)』『Kokin Wakashu(古今和歌集)』『Brocade by Night(夜の寝覚)』『Tales of Ise(伊勢物語)』『The Tale of the Heike(平家物語)』『Okagami The Great Mirror(大鏡)』など多数翻訳している。〔菅原〕

18

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Royall Tyler [1936- ]
New York [アメリカ] : Viking
2001.volume ONE.574p.25 cm./『源氏物語』/英語
New York [アメリカ] : Viking
2001.volume TWO.577-1174p.25 cm./『源氏物語』/英語

 Royall Tyler(ロイヤル・タイラー)による『源氏物語』の英訳。箱入りの2冊本セット。底本として、『新日本古典文学全集』(小学館)、『新潮日本古典集成』(新潮社)、『新日本古典文学大系』(岩波書店)を参照。第1冊目に「桐壺」から「藤裏葉」、第2冊目に「若菜上」から「夢浮橋」を収める。巻名は逐語的な英訳を新たにつけ、各巻冒頭にその意味を解説し、登場人物リストを付す。また、巻末にはその巻の梗概を載せる。
 第1冊目序編では、『源氏物語』の価値全般の紹介を目的として、先行の翻訳状況、作者、写本について説明する。また全体のあらすじを載せるとともに、物語の理解を助けるために、平安時代の貴族社会の状況を解説する。その他、和歌や本文の語りの構造、敬語、固有名詞、原文の文章構造の解説、現代における受容の状況などを各項目ごとにまとめる。
 第2冊目の終わりには一般読者を対象に、平安時代の建物や習俗の図版、平安京や周辺の地図、位階官職の解説つきリスト、年立、一般的な語彙集、引歌の解説を掲載する。本文の訳は、現代英語として読むに堪えうるものであるとともに、原文に忠実であることを配慮している。そのため、原文のトーンを崩さないよう訳語を選択し、類似表現の相互の関係にも整合性を持たせる工夫がなされている。なお和歌の訳は5-7-5-7-7に合わせた語数に整えている。本文の合間に平安時代の人物や道具など、風俗を描いた絵を挿入し(絵は『源氏物語絵巻』などを参考に現代の挿絵家により描かれたもの、箱の意匠についても同様)、本文の理解を助ける工夫がなされている。
 翻訳者Royall Tylerはイギリス生まれ。オーストラリア国立大学名誉教授。著書に、『Japanese Tales (Pantheon Fairy Tale & Folklore Library)』などがある。 〔七田〕

19

THE TALE OF GENJI

Murasaki Shikibu/Royall Tyler [1936- ]
New York [アメリカ] : Penguin Books
2003.1182p.24cm./『源氏物語』/英語

 Royall Tylerによる『源氏物語』の英訳。本書はハードカバー2冊本セットを1冊にまとめたペーパーバック版。内容については冊子番号18参照。〔狩集〕


中国語

20

源氏物語

紫式部/豊子愷 [1898-1975]
北京 [中国] :人民文学出版社
1980.上巻.430p.21cm./『源氏物語』/中国語(簡体字)
北京 [中国] :人民文学出版社
1982.中巻.427p.21cm./『源氏物語』/中国語(簡体字)
北京 [中国] :人民文学出版社
1983.下巻.434p.21cm./『源氏物語』/中国語(簡体字)

 中国語初の豊子愷による『源氏物語』の完訳。3冊本。上巻は「桐壺」~「朝顔」、中巻は「乙女」~「夕霧」、下巻は「御法」~「夢浮橋」を収める。表紙のデザインは、3巻とも銀色で平安装束を着た男女の立ち姿を描く。各表紙の色は、萌葱色、小豆色、鈍い空色。底本は不明だが、当時日本で出版されていた注釈書や現代語訳を入手し、中でも谷崎潤一郎の現代語訳やArthur Waleyの英訳を参考にしたようである。中国の章回小説(中国の伝統的な小説の書き方で、章や回ごとにわけた小説)の形式に倣って、「第1帖」を「第1回」とする。上巻の扉に主要人物関係図を載せる。葉渭渠による序文(1980)と翻訳者豊子愷の後記(1965)がある。
 本文中の和歌は、七言二句、七言絶句、五言絶句の形式である。例えば、桐壺更衣の和歌「かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」は、「面臨大限悲長別 留恋残生嘆命窮」(七言二句)となっている。
 豊子愷は中国浙江省崇徳県生まれ。1914年に浙江省立第一師範学校入学。1915年から李叔同[1880-1942]に日本語を習う。1921年に来日、美術と音楽を学ぶ。春暉中学、重慶国立芸術専門学校、上海の中国画院院長などの教職、上海美術協会主席・上海市人民代表・上海市政協委員・全国政協委員などを歴任。日本古典文学の翻訳は、他に『落窪物語』『竹取物語』『伊勢物語』がある。著書『縁縁堂随筆』は、吉川幸次郎による日本語訳がある。また、中国における「漫画」という語の使用は豊子愷に始まり、『漫画阿Q正伝』『豊子愷漫画集』などがある。
 豊子愷は、1961年12月~1965年9月に『源氏物語』を翻訳。しかし、当時中国の「文化大革命」のため出版されなかった。その後1973年にも出版を予定するが、またも政治的原因でかなわず、結局豊子愷の死後に出版の運びとなった。〔頼〕

21

源氏物語

紫式部/豊子愷 [1898-1975]
北京 [中国] : 人民文学出版社
1993.上巻.644p.21㎝./『源氏物語』/中国語(簡体字)
北京 [中国] : 人民文学出版社
1993.下巻.645-1291p.21㎝./『源氏物語』/中国語(簡体字)

 本書は豊子愷による『源氏物語』の中国語訳を「世界文学名著文庫」シリーズとして再版したもの(冊子番号20参照)。ハードカバーの上下巻2冊にまとめる。初版にあるカラーの挿絵が省略され、装幀はシリーズで統一したものとなっているが、内容は初版とほぼ同じである。〔頼〕

22

源氏物語

紫式部著/林文月 [1933- ]
台北 [台湾] : 中外文学月刊社
1982.上.669p.22cm./『源氏物語』/中国語(繁体字)
台北 [台湾] : 中外文学月刊社
1985.下.683p.22cm./『源氏物語』/中国語(繁体字)

 林文月による『源氏物語』の中国語訳。上下巻2冊。上巻は「桐壺」~「梅枝」、下巻は「藤裏葉」~「夢浮橋」を収める。表紙の題字は、書家である台湾大学中国文学科の臺静農[1902~1990]の揮毫。デザインは林文月の夫で画家の郭豫倫による。上巻の折り込みには、土佐光起筆『紫式部』と国宝『源氏物語絵巻』「蓬生」の詞書、下巻には「東屋一」を掲載する。巻末には「源氏物語各帖要事簡表」32頁を付す。底本は、『日本古典文学全集』(小学館)。Arthur Waley訳や谷崎潤一郎・与謝野晶子・円地文子の現代語訳も参考にし、翻訳の後半では出版されて間もないEdward G.Seidenstickerの英訳も参考にしたといわれる斬新な中国語訳となっている。
 和歌の翻訳は、林文月独特の方法で、3行(七七八字の形式)で、1行目と3行目に韻を踏む。例えば、桐壺更衣の和歌「かぎりとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」は、「生有涯兮離別多 誓言在耳妾心苦 命不可恃兮将奈何」となっている。
 林文月は、日本ペンクラブの「日本文化国際研究会議」(京都 1972)で発表した論文「桐壺と長恨歌」をきっかけに『源氏物語』の翻訳を開始。1973年4月から1978年12月まで、台湾大学外国語文学科の月刊誌『中外文学』に66期連載する。1974年から1978年まで1年に単行本を1冊ずつ、計5冊を出版。1982年に修訂して上下2巻で出版。本書はその修訂版である。その後、1985年に修訂再版が出る。
 林文月は上海生まれ。1946年に台湾に帰国し中国語を学び始める。台湾大学の中国文学科、同大学院修了。専攻は六朝文学。台湾大学中国文学科名誉教授。『源氏物語』の他に、『枕草子』(中外文学出版社 1989)、『和泉式部日記』(純文学出版社 1993)、『伊勢物語』(洪範出版社 1997)を翻訳。散文にも優れ、台湾の「時報文学奨」(2度)、「国家文芸奨」(2度)、「台北文学奨」、「国家文芸奨翻訳類」(『源氏物語』、1994)など多数受賞。〔頼〕



チェコ語

23

PŘÍBĔH PRINCE GENDŽIHO

Murasaki Šikibu/Karel Fiala
Praha [チェコ] : PASEKA(パセカ)
2002.1V.380p.21㎝./『源氏物語』/チェコ語

 Karel Fiala(カレル・フィアラ)による初の『源氏物語』のチェコ語訳。2005~2006年頃までに全4巻を刊行予定。本書はその第1巻で、「桐壺」から「須磨」を収める。
 表紙は国宝『源氏物語絵巻』「東屋二」。クリーム色の地に絵が横長に配され、その下に金字でタイトルを書く。挿絵には、国宝『源氏物語絵巻』「柏木二」「柏木三」「横笛」「橋姫」を掲載。
 序文では、 『源氏物語』や紫式部、平安時代の政治制度、平安京、服装、古時刻、暦などについて解説する。
 翻訳者Karel Fialaは福井県立大学教授。専門は、国語学(日本語学)、言語学、比較文化論。著書に『日本語の情報構造と統語構造』 (ひつじ書房 2000)がある。また、東北大学大学院国際文化研究科創立10周年記念フォーラム「世界の中の日本研究」2002)において、「『平家物語』成立の研究とチェコ語訳『平家物語』誕生秘話-国際的「国語学・国文学」研究の現場から-」と題して講演。〔菅原〕



フランス語

24

LE GENJI MONOGATARI

Murasaki Shikibu/Charles Haguenauer [1896-1976]
Paris [フランス] : Presses universitaires de France
1959.87p.26 cm./Bibliotheque de l'Institut des hautes etudes chinoises ; v.12/ 『源氏物語』 /フランス語

 本書はCharles Haguenauer(シャルル・アグノエル)による『源氏物語』の解説書で、「桐壺」のみ翻訳する。内容は、『源氏物語』の解説(31頁)、採用した翻訳の方法(6頁)、発音に関する覚書(1頁)、「桐壺」の翻訳(47頁)。解説では、『源氏物語』の概略、作者の紫式部とその時代背景、いわゆる青表紙本や河内本、別本の本文のこと、武田宗俊の玉鬘系後記挿入説に触れるなど多岐にわたる。
 翻訳の部分では、古語では省略される部分を[ ]で補って訳す方法をとる。例えば、冒頭の「いづれの御時にか」は、「ありけむ」が省略されている。翻訳では、「En quel Règne [était-ce]? 」と、その省略部分の訳を括弧内に記す。古語文法の性質上、括弧は多く用いられ、一見煩雑な感じを与えるが、理解を助ける上では役立ってるものと考えられる。また、脚注では、文の主語を示すほか、「やむごとなき」「ときめく」「北の方」「右大臣」などの単語をローマ字表記してその意味を述べる。頁の半分以上が脚注の場合もある。本文の和歌は5行書き。
 Charles Haguenauerはフランス人。日本・朝鮮の言語文化を担当したパリ大学教授。1924年から8年間日本に留学。著書に『日本文明の起源』(1956)がある。〔大野〕

25

LE DIT DU GENJI

Murasaki-shikibu/René Sieffert [1923- ]
Paris [フランス] : Publications orientalistes de France
1977.tome 1.464p.21cm./『源氏物語』/フランス語
Paris [フランス] : Publications orientalistes de France
1977.tome 2.465-877pp.21cm./『源氏物語』/フランス語

 René Sieffert(ルネ・シフェール)による『源氏物語』のフランス語訳。両巻の表紙は、『紫式部日記絵巻』から写し取った藤原斉信の姿を載せる。
 「Premiére partie(第1部)」として、第1巻は「桐壺」から「澪標」、第2巻は「蓬生」から「藤裏葉」を収める。底本には『日本古典文学大系』(岩波書店)、『日本古典文学全集』(小学館)、『新潮日本古典集成』(新潮社)を用いる。中表紙には、「Magnificence(華麗さ、壮麗さの意)」という言葉を添える。巻名は、訳者によるフランス語訳と日本語のローマ字表記を併記。例えば、「桐壺」は「Le Clos au Paulownia KIRI TSUBO」とする。なお、「須磨」「明石」など地名が巻名の場合は、「SUMA」「AKASHI」とローマ字表記のみを記す。和歌は5行書き。
 本書は、「藤裏葉」まで収めた2巻のみであるが、1988年には全54帖の翻訳が完成し、同じくPublications orientalistes de Franceから2冊本で出版。第1巻は「桐壺」から「藤裏葉」、第2巻は「若菜」から「夢浮橋」を収める。24cmと本書より大きいサイズである。〔山田〕


ドイツ語

26

DIE GESCHICHTE VOM PRINZEN GENJI

Murasakishikibu/Herberth E.Herlitschka [1893- ]
Wiesbaden(ヴィースバーデン) [ドイツ] : Insel-Verlag
1954.1v.619p.20 cm./『源氏物語』/ドイツ語
Wiesbaden(ヴィースバーデン) [ドイツ] : Insel-Verlag
1954.2v.591p.20 cm./『源氏物語』/ドイツ語

 本書は、Arthur Waley訳『源氏物語』のドイツ語訳。翻訳者はHerberth E.Herlitschka。「桐壺」から「幻」までを訳出し、2冊に分冊。第1巻に「桐壺」から「朝顔」、第2巻に「少女」から「幻」までを収める。巻名は、Arthur Waley訳をそのままドイツ語訳する。Arthur Waley訳では、「鈴虫」を訳出していないため、本書にもこの巻はない。
 第1巻のそでの部分には主人公光源氏、第2巻では紫式部について簡単な紹介文を載せる。1頁ほどの序文があり、本来の「源氏の物語」には属さないため、宇治十帖を訳さなかった旨を記す。また、第2巻末尾に主要登場人物68人の紹介があり、それに目を通してから読むことを勧めている。両巻うしろには、目次を兼ねてそれぞれ収録する巻の梗概を付す。後記には、Waley訳の初版本6冊(冊子番号4,5参照)において、分散していた解説をまとめてドイツ語訳したものを載せる。
 翻訳者Herberth E.Herlitschkaは、本書の他にイギリスの小説家・思想家Aldous Huxley(オルダス・ハクスリー)[1894-1963]の『美しき新世界』をはじめ、英語からのドイツ語訳を多く手がけている。〔大野〕

27

DIE GESCHICHTE VOM PRINZEN GENJI

Murasakishikibu/Herberth E.Herlitschka [1893- ]
Frankfurt am Main [ドイツ] : Insel-Verlag
1987.1v.611p.18 cm./『源氏物語』/ドイツ語
Frankfurt am Main [ドイツ] : Insel-Verlag
1987.2v.583p.18 cm./『源氏物語』/ドイツ語

 Herberth E.HerlitschkaによるArthur Waley訳『源氏物語』のドイツ語訳。1954年にInsel-Verlagから出版されたもののペーパーバック版(冊子番号26参照)。箱入りの2冊本セット。外箱のデザインは、円山応挙筆、国宝『雪松図屏風』の一部を用いる。本の表紙には、土佐光則筆『源氏物語画帖』。第1巻は「若紫」、第2巻は「松風」を掲載。内容は冊子番号26に同じ。但し、両巻の見返しには紫式部の紹介文を新たに載せる。〔大野〕

28

DIE GESCHICHTE VOM PRINZEN GENJI

Murasakishikibu/Herberth E.Herlitschka [1893- ]
Frankfurt am Main [ドイツ] : Insel-Verlag,1995.1v.611p.20cm./『源氏物語』/ドイツ語
Frankfurt am Main [ドイツ] : Insel-Verlag
1995.2v.583p.20cm./『源氏物語』/ドイツ語

 Herberth E.HerlitschkaによるArthur Waley訳『源氏物語』のドイツ語訳。冊子番号27のペーパーバック版の再版。2冊本。但し、本の表紙は『源氏物語画帖』ではなく、2冊とも同じ江戸時代の役者絵を用いる。また、見返しには冊子番号27とは異なる『源氏物語』の説明文を載せる。〔大野〕

29

GENJI-MONOGATARI : DIE GESCHICHTE VOM PRINZEN GENJI : Altjapanischer Liebesroman aus dem 11. Jahrhundert

Hofdame Murasaki/Oscar Benl [1914-1986]
Zürich(チューリッヒ) [スイス] : Manesse Verlag
1966.Band Ⅰ.895p.18cm./『源氏物語』/ドイツ語
Zürich(チューリッヒ) [スイス] : Manesse Verlag
1966.Band Ⅱ.982p.18cm./『源氏物語』/ ドイツ語

 『源氏物語』のドイツ語訳。Oscar Benl(オスカー・ベンル)による完訳である。2冊本。第1巻は「桐壺」~「藤裏葉」、第2巻は「若菜」~「夢浮橋」を収める。表紙は国宝『源氏物語絵巻』。第1巻は「鈴虫二」、第2巻は「夕霧」。
 本書では、54帖を6章に分ける。構成は、第1章「桐壺」~「花宴」、第2章「葵」~「薄雲」、第3章「朝顔」~「藤裏葉」、第4章「若菜」~「幻」、第5章「雲隠」~「竹河」、第6章「橋姫」~「夢浮橋」である。各章の冒頭に巻ごとの梗概を載せる。「若菜」は、目次では上・下の区別をしていないが、本文中ではⅠ、Ⅱに分ける。また「雲隠」については、「この巻は(おそらく最初から)題名だけが存在している」と解説している。和歌は5行書き。巻名は、「Kiritsubo」「Utsusemi」「Yugao」 など、ローマ字表記にするものが多いが、「Das Fest des roten Herbstlaubes(紅葉賀)」や 「Schreibübungen(手習)」など、意味の上から訳したものもある。巻末には主要登場人物一覧と系図を付す。
 翻訳者Oscar Benlはニュルンベルグ生まれ。1937年から1940年まで東京帝国大学で学び、1947年帰国。翌1948年、ミュンヘン大学で教授資格を取得し、その後はハンブルグ大学で教鞭をとった。『伊勢物語』『徒然草』、井上靖、谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫などの翻訳も手がける。〔山田〕


イタリア語

30

IL ROMANZO DI GENJI

Murasaki-no-Shikibu/Ivo Domenichini
Firenze(フィレンツェ) [イタリア] : Casa Editrice Nerbini(カーサ・エディトリーチェ・ネルビーニ)
1942.365p.21cm./『源氏物語』/イタリア語

 本書は、1928年にKiku Yamata(キク・ヤマタ)によって部分的にフランス語訳された「Le Roman de Genji(源氏物語)」をIvo Domenichini(イヴォ・ドメニキーニ)がイタリア語訳したもの。「桐壺」~「葵」までを収める。巻名はない。本文中の和歌は、4行書き。会話中にある時は「―」で続ける。注は、Arthur Waley訳を参考にしている。
 序文は、翻訳者Ivo Domenichiniによる。刊行がファシズムの時代だったためか、「色好みのやさ男」「堕落した不純な男」として光源氏を非難している。しかし、『源氏物語』はそれを丁寧に美しく描いていると述べる。紫式部については、徳の高い女性であると説明する。
 フランス語訳をしたKiku Yamataは、「山田キク」という日本名を持つが、フランス語を母語とした。1950年にフランスの作家たちの横顔を描いたエッセー集『パリの作家達』(林孝一訳)を刊行。谷崎潤一郎『蘆刈』『春琴抄』、大沸次郎『帰郷』の翻訳なども手がけた。60歳のときに、フランスでレジョン・ドヌールの栄誉を得る。〔菅原〕


ハングル

31

겐지 이야기(『源氏物語』)

무라사키 시키부(紫式部)/전용신(田溶新)[1921- ]
ソウル [韓国] : 나남 출판(ナナン出版)
2002.1v.502p.24cm./『源氏物語』/ハングル
ソウル [韓国] : 나남 출판(ナナン出版)
2002.2v.509-1085p.24cm./『源氏物語』/ハングル
ソウル [韓国] : 나남 출판(ナナン出版)
2002.3v.1093-1611p.24cm./『源氏物語』/ハングル

 田溶新による『源氏物語』のハングル訳。全3冊。初版は1999年出版で、本書はその3版。1冊目は「桐壺」から「朝顔」、2冊目は「少女」から「幻」、3冊目は「匂宮」から「夢浮橋」を収める。各巻別に梗概を付す。底本は、『日本古典文学全集』(小学館)を使用。序文には、翻訳する際、下段の現代語訳を中心に訳し、必要な箇所は注から訳を取り入れ、翻訳しにくかったところは原文を参考にして意訳したとある。また、紫式部の略伝や『源氏物語』およびそれ以前の『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』などの作品について説明している。韓国では1973年に柳呈が『源氏物語』の翻訳を出しているが、それについて、底本が明記されていないことや、原本と相当異なることも指摘する。
 本書では、源氏以外の人物の名前や地名が全部韓国式漢字の音読になっている。即ち、「源氏」は日本式の呼び方そのままで「ゲンジ」とするが、例えば、「紫の上」は「ザエサン」(エは日本の格助詞「の」に該当。ザのサン)、「藤壺」は「ドンホ」という音読の名になる。
 田溶新は、京成師範学校練習科(甲)とソウル大文理科大学心理学科を卒業。高麗大文科大学心理学科で文学博士取得。1964年より高麗大心理学科教授として在職し、1987年に高麗大学名誉教授。著書に『韓国古地名辞典』。翻訳は、他に『日本書紀』の完訳版がある。
 ナナン出版社は、主に韓国の現代文学書を中心に出版している。〔河〕


ロシア語

32

POVEST O GENDZI  (GENDZI-MONOGATARI)

Murasaki Sikibu/Tatiana L. Sokolova-Deliusina [1946- ]
Moskva(モスクワ)[ロシア] : Nauka
1991.Kniga 1.328p.22㎝./『源氏物語』 /ロシア語
Moskva(モスクワ)[ロシア] : Nauka
1993.Kniga 2.269p.22㎝./『源氏物語』 /ロシア語
Moskva(モスクワ)[ロシア] : Nauka
1993.Kniga 3.304p.22㎝./『源氏物語』 /ロシア語
Moskva(モスクワ)[ロシア] : Nauka
1993.Kniga 4.256p.22㎝./『源氏物語』 /ロシア語

 Tatiana L. Sokolova-Deliusina(タチアーナ・サカローヴァ・デリューシナ)による『源氏物語』の初のロシア語全訳。翻訳4冊と付録(関連論文等を含む)1冊の全5冊セット。1990年に第1巻と別巻が出たが、ソ連崩壊後の社会的混乱により中断。その後、日本のとある詩人から資金援助を受けて出版された。第1巻は「桐壺」~「明石」、第2巻は「関屋」~「梅枝」、第3巻は「若菜」~「椎本」、第4巻は「総角」~「夢浮橋」を収める。
 表紙は黄色。各冊の扉絵・裏見返し・裏表紙は、それぞれ国宝『源氏物語絵巻』を用いる(「竹河二」「柏木二」「柏木三」「橋姫」)。各巻名の下には、横長の八角形に切り取った絵を掲載。本文は、谷崎潤一郎・円地文子の現代語訳などを参照している。
 翻訳者Tatiana L. Sokolova-Deliusinaは、モスクワ大学日本語科卒業。プログレス出版社に編集者として勤務した後、翻訳家として独立。『源氏物語』の翻訳・校正に12年間をかけ、1993年に日本の国際交流基金奨励賞を受賞。著書には、主に古今集の翻訳である『Iaponskaia lubovnaia liryka(日本の恋歌)』、和歌、連歌や俳諧の選集として『Iaponskaia poezia(日本の歌)』、『Yosa Buson - stichi i prosa(与謝蕪村:散文や歌)』、『Macuo Basho - izbrannaia prosa(松尾芭蕉作品選集)』。他に、『タチアーナの源氏日記―紫式部と過ごした歳月』(法木綾子訳 TBSブリタニカ 1996)がある。
 出版社Nauka(ナウカ)は、1963年にサンクト・ペテルブルグ(当時はペテルブルグ)で設立された、もとロシア学術大学(旧「ソビエト社会主義共和国連邦学術大学」)の出版社。1963年以前には「東洋文化科学専門雑誌」といい、ソビエト社会主義共和国連邦出版管理委員会の管理で、学術大学雑誌として活動。雑誌だけで192冊を出版し、数学・科学・土木学・生物学・歴史・哲学・文化・文学・語学など多分野にわたる。〔ガンデルスカ〕

33

POVEST O GENDZI (GENDZI-MONOGATARI)

Murasaki Sikibu/Tatiana L. Sokolova-Deliusina[1946- ]
Moskva(モスクワ)[ロシア] : Nauka
1992.Prilozhenie(附録).256p.22㎝./『源氏物語』 /ロシア語

 本書は冊子番号32の付録本。「『源氏物語』−その時代と作者」と題し、翻訳者Tatiana L. Sokolova-Deliusinaが、平安時代の歴史と文化、特に芸術や文学について解説する。また、『源氏物語』の注釈史にも触れ、藤原伊行『源氏釈』や藤原定家らについて述 べ、平安時代の日本国図・平安京図・内裏図(寝殿造)なども載せる。その他には、平安時代の政治制度、袴着、裳着、元服、結婚の儀式などの通過儀礼について述べる。『源氏物語』に登場する舞楽を図入りで解説。飛鳥井などの催馬楽の33の歌詞、平安時代の服装や時報制度など詳しく説明。最後に、『源氏物語』中の引歌一覧を付す。〔ガンデルスカ〕


34

POVEST O GENDZI

Murasaki Sikibu/Tatiana L. Sokolova-Deliusina[1946- ]
Sankt-Petersburg(サンクトペテルブルグ)[ロシア] : Hiperion
2001.TOM 1.750p.22㎝./『源氏物語』/ロシア語
Sankt-Petersburg(サンクトペテルブルグ)[ロシア] : Hiperion
2001.TOM 2.748p.22㎝./『源氏物語』/ロシア語

 冊子番号32、33の再版本。Hiperionより出版。2巻にまとめる。第1巻は「桐壺」~「若菜上」、第2巻は「若菜下」~「夢浮橋」及び附録を収める。内容は初版と同じであるが、舞や琵琶、笛、琴などの図版が少なくなっている。
 第1巻の表紙は、黄色を基調とし、浮舟と匂宮が舟に乗っている場面を載せる。第2巻は、「胡蝶」より舞楽「迦陵頻」の絵。
 Hiperion(ヒペリオン)は、1995年にサンクト・ペテルブルグで設立された日本文化関係専門の出版社。『源氏物語』を含むシリーズ『Yaponskaya Klasicheskaya Biblioteka(日本古典図書)』の他に、『紫式部日記』や小林一茶・正岡子規・二葉亭四迷・芥川龍之介・太宰治・川端康成・三島由紀夫・安部公房などの作品を、『日本文学図書 20世紀』『Terra Nipponica』というシリーズで出版している。〔ガンデルスカ〕



スペイン語

35

LA FUGITIVA DE CHUJO

Murasaki Shikibu/Manuel Tabares
Buenos Aires(ブエノスアイレス)[アルゼンチン] : Aves Del Arca
1977.103p.18㎝./『源氏物語』/スペイン語

 Manuel Tabares(マヌエル・タバルス)による『源氏物語』のスペイン語訳。「夕顔」のみを訳す。題名の「Fugitiva」は、「逃亡者・はかない・つかのまの」の意。「夕顔」の原文が「御忍び歩きの頃」で始まるためか、御忍び歩きの光源氏と夕顔とのはかない逢瀬を表しているようで珍しい題名である。
 表紙は、Douglas Wright(ダグラス・ライト)による櫛で髪を梳かす女性の絵。序文では「源氏の歴史」と題し、紫式部や『源氏物語』をはじめ、『古事記』『萬葉集』等を紹介。翻訳はArthur Waley訳を参考にしたことを述べる。〔菅原〕

36

GENJI MONOGATARI (romance de Genji)

Murasaki Shikibu/Fernando Gutiérrez
Barcelona(バルセロナ)[スペイン]:Torre de Viento
2002.258p.21㎝./『源氏物語』/スペイン語

 Fernando Gutiérrez(フェルナンド・グティエレス)による『源氏物語』のスペイン語訳。初版は、Torre de Viento(トーレ・ビエント)から1992年に出版。本書はその第3版。「桐壺」~「葵」までを収める。巻名は、日本語をローマ字表記にするものが多いが、「紅葉賀」「花宴」のみ、「KOYO-SETSU」「LA FIESTA DE LAS FLORES」とする。本文は、Kiku Yamataによるフランス語訳(冊子番号30参照)を参考にしたとある。和歌は、3行書き、または4行書きである。 
 挿絵は、山本春正『絵入源氏物語』(冊子番号30参照)から、各巻ごとにすべて掲載。16頁と17頁の間には、カラーで8頁分、土佐光吉・光則・光成筆の源氏絵を載せる。〔菅原〕

紫式部日記・紫式部集

37

DIARIES OF COURT LADIES OF OLD JAPAN

/Annie Shepley Omori,Kochi Doi [1886-1979]
東京 [日本] : Kenkyusha(研究社)
1961.209p.23cm./『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』/英語

 Annie Shepley Omori(大森安仁子)、Kochi Doi(土居光知)による『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』の英訳。1920年にアメリカのHoughton Mifflinから出版。日本では、1935年に研究社が出版し、本書は1961年出版の改訂新版。カバーは寝殿造りの図。『更級日記』で1枚、『紫式部日記』で2枚、『和泉式部日記』で4枚、それぞれの場面にあわせた挿絵を載せる。
 解説では、アメリカの女流詩人Amy Lowell(エイミー・ローウェル)[1874-1925]が、西欧の文化が開花しない時代に高度な文化社会があり、それを記録する女性がいたということを絶賛し、美しい叙情と自然の描写、複雑な人間関係による微妙な感情の揺れなどが詳細に美しく描かれていることを説明する。和歌は、5行書きや2行書きなど不統一。〔菅原〕



38

DIARIES OF COURT LADIES OF OLD JAPAN

/Annie Shepley Omori,Kochi Doi [1886-1979]
New York [アメリカ] : Ams Press
1970.200p.23cm./『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』/英語

 本書は、Annie Shepley Omori、Kochi Doiによる『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』の英訳(冊子番号37参照)。1920年に出版されたもののAms Press版。冊子番号37でも述べている各日記ごとの挿絵の他に、扉絵には、正装をした女房の立ち姿を掲載し、服装・調度などの図版も盛り込む。〔菅原〕

39

JOURNAUX DES DAMES DE COUR DU JAPON ANCIEN : Journal de Sarashina, Journal de Murasaki Shikibu, Journal d'Izumi Shikibu

/Marc Logé
Arles(アルル)[フランス] : Philippe Picquier
1998.211p.17㎝./『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』/フランス語

 Marc Logéによる『Diaries of court ladies of old Japan』(Annie Shepley Omori,Kochi Doi)のフランス語訳(冊子番号37参照)。本書は、1925年に「外国作家叢書」シリーズの1冊、『Journaux intimes des dames de la cour du vieux Japon』と題してPlon社から出版したものを、Philippe Picquier(P.ピキエ社)からタイトルを改めて出版。
 表紙は、住吉具慶筆[1631-1705]の筆を持つ宮廷女房の絵。Amy Lowell(エイミー・ローウェル)の解説や本文はそのまま訳すが、付録は省く。また、英語版の注記はその頁ごとにあるが、本書はまとめて各作品の後におく。人物の説明などは簡略になり、英語版よりも少なくなっている。
 Philippe Picquier社は、太宰治『Pays natal(津軽)』、浅田次郎『Le cheminot(ぽっぽや)』、江戸川乱歩、宮本輝などの翻訳本を出版している。 〔菅原〕

40

JOURNAL

Murasaki-shikibu/René Sieffert [1923- ]
Paris [フランス] : Publications Orientalistes de France
1978.87p.21cm./『紫式部日記』/フランス語

 René Sieffert(ルネ・シフェール)による『紫式部日記』のフランス語訳。
 序文はRené Sieffert自身による。現存する日本最古の「公事仮名日記」として藤原穏子の『太后御記』に触れるが、それはあくまでも記録であり、文学作品としての最初の仮名日記は、紀貫之の『土佐日記』であると述べる。また、『古今和歌集』や在原業平、『蜻蛉日記』『和泉式部日記』『紫式部日記』『更級日記』『成尋阿闍利母集』『讃岐典侍日記』など代表的な日記作品を挙げて説明する。さらに、「作家」「藤原道長と一条天皇邸」「作品の歴史(本文について)」「日記の内容」「女性の服装についての注」の解説を載せる。翻訳に際し、『日本古典文学全集』(小学館)を参考にする。本文中の和歌は5行書き。〔菅原〕

41

MURASAKI-SHIKIBU DIARI

Murasaki-shikibu/Dolors Farreny I Sistac
Barcelona(バルセロナ)[スペイン]: Espai de Dones
1990.108p.21cm./『紫式部日記』/スペイン語

 René Sieffert訳『JOURNAL』(冊子番号40参照)のスペイン語訳。表紙は、大写しの引き目かぎ鼻の女性の顔。内容は、René Sieffertのものとほぼ同じである。〔菅原〕

42

MURASAKI SHIKIBU : Her Diary and Poetic Memoirs

/Richard Bowring [1945- ]
New Jersey [アメリカ] : Princeton University Press
1982.290p.24cm./『紫式部日記』『紫式部集』/英語

 Richard Bowring(リチャード・バウリング)による『紫式部日記』『紫式部集』の英訳。副題「Poetic Memoirs(和歌の自伝)」は、Phillip Harries(フィリップ・ハリーズ)の言葉を借りたものと翻訳者自身が記す。
 カバーは『紫式部日記絵巻』。紫式部が中宮彰子に『白氏文集』を進講する場面。内容は、第1章で紫式部について述べ、第2章『紫式部日記』、第3章『紫式部集』となっている。『紫式部日記』は、『日本古典文学大系』(岩波書店)、『日本古典文学全集』(小学館)を底本として用い、注釈書の中では、特に萩谷朴『紫式部日記全注釈』(角川書店)を参考にする。
 『紫式部集』は、『新潮日本古典集成』(新潮社)の校定定家本と同じ128首を収める。また解説において、本居宣長が『紫式部日記』の和歌までは取り上げなかったことや、与謝野晶子『紫式部考』(1915)でようやくこの家集が人目をひくことになったことを述べる。
 翻訳者Richard Bowringは、ケンブリッジ大学で博士号を取得。中古文学の他に、森外などの日本の近現代の文学や文化、宗教にいたるまで研究している。〔菅原〕

43

THE DIARY OF LADY MURASAKI

/Richard Bowring [1945- ]
London [イギリス] : Penguin Books
1996.92p.20㎝./『紫式部日記』/英語

 本書は、Richard Bowringによる『紫式部日記』『紫式部集』の英訳(冊子番号42参照)から『紫式部日記』だけを抜粋し、Penguin Booksから出版。
 表紙は、『紫式部日記絵巻』。龍頭鷁首の船を藤原道長が見立てる場面のうち、道長の姿は省き、下仕えが棹をさして釣殿に船を寄せる部分を拡大して掲載。本文の翻訳の前には、文化史や紫式部についての説明を載せる。また、宮仕えする女房の立ち姿の図を掲載し、十二単について細かく記している。〔菅原〕

44

MURASAKI SHIKIBU : Diario e Memorie Poetiche

/Pier Francesco Paolini
Milano [イタリア] : Feltrinelli
1984.221p.22㎝./『紫式部日記』『紫式部集』/イタリア語

 Pier Francesco Paolini(ピエール・フランチェスコ・パウリーニ)による『MURASAKI SHIKIBU : Her Diary and Poetic Memoirs』(Richard Bowring 1982)のイタリア語訳(冊子番号42参照)。「Tempo ritrovato(テンポ・リトロヴァート)」シリーズの1冊。
 本書の「序文」は、Alfredo Giuliani(アルフレード・ジュリアーニ)[1924- ]によるイタリア版独自のものであり、序文・注・付録は、英語版より少なくなっている。公家の生活について、清少納言や『更級日記』などを挙げ、さらに「あはれ」という概念を解説し、日常生活における和歌の重要性や、平安時代の日記について触れる。登場人物は、英語版の名前を少し変えているところがある。
 また、序文中の「原文の歴史」と題する箇所では、池田亀鑑の研究に触れるなど、写本の歴史についても言及する。翻訳に関しては、Richard Bowringはもちろん、René Sieffert・大森安仁子・萩谷朴を参考にし、 『源氏物語』はArthur Waley・Helen Craig McCulloughのものを参照したとある。
 『紫式部集』に関しても、英語版とほぼ同じであり、和歌は5行書きのままイタリア語に訳している。
 出版社Feltrinelli(フェルトゥリネッリ)は、イタリア・ミラノの知識人社会の一翼を担う大手であり、研究活動の支援や、ペーパーバック版の出版を行う。
 序文を書いたAlfredo Giulianiは、ネオアバンギャルディア(ヨーロッパの革新的芸術の総称)を代表するイタリアの詩人の一人。詩集『哀れなジュリエット』がある。〔菅原〕

45

MURASAKI SIKIBU DNEVNIK

/Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov [1951- ]
Sankt-Peterburg [ロシア] : Hiperion
1997.174p.17cm./『紫式部日記』/ロシア語

 Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov (アレクサンデル・メシチェリャコフ)による『紫式部日記』のロシア語訳。初版は1996年で、本書はその再版本。
 表紙はこげ茶色で、文字は金色。扉絵には、頬杖をついて座す紫式部の絵と、紫式部が里下がりをしていた時の和歌「浮き寝せし水の上のみ恋しくて鴨の上毛にさへぞおとらぬ」のロシア語訳を載せる。
 序文は翻訳者Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov自身により、『紫式部日記』が書かれた時代の歴史的背景を述べる。本書では、日記を記した日付を「寛弘5年7月19日」から「寛弘7年1月3日」までとし、原文にはない日付をこまかくつけている。また、日本とロシアの文化の違いにより、訳しにくい言葉などには簡単な説明を添える。
 翻訳者Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakovは、モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国研究所日本語講座主任。専門は、歴史(古代史)・文化人類学・宗教学・哲学・文学。歴史博士。著書には、『Drevniaia Iaponiia : buddizm i sintoizm(古代日本における宗教混合問題:神道と仏教)』(Nauka 1987)、『Drevnianaia Iaponia : kultura i tekst(古代日本:文化と書物)』(Nauka 1991)、翻訳に、L. M. Ermakova(エルマコヴァ)と共訳の『日本書紀』(Hiperion 1997)がある。〔ガンデルスカ〕

46

MURASAKI SIKIBU DNEVNIK

/Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov [1951- ]
Sankt-Peterburg [ロシア] : Azbuka
2000.150p.18cm./『紫式部日記』/ロシア語

 Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov (アレクサンデル・メシチェリャコフ)による『紫式部日記』のロシア語訳。本書は、1997年にHiperion社から出版の『紫式部日記』のAzbuka(アズブカ)社版(冊子番号45参照)。
 表紙は、喜多川歌麿「当時全盛美人揃・扇屋内瀧川」。扉絵の紫式部の絵と和歌はなく、見返しに「紫式部」と漢字で書く。
 出版社Azbukaは、ナボコフ、フロイト、マキアヴェリ、モーパッサンなどの「クラシック文学」シリーズ、「有名推理小説」、SFシリーズなどの本や雑誌を出版している。〔ガンデルスカ〕

47

POÈMES(歌)

MURASAKI-SHIKIBU/René Sieffert [1923- ]
Paris [フランス] : Publications Orientalistes de France
1986.103p.21㎝./『紫式部集』/フランス語

 René Sieffert(ルネ・シフェール)による『紫式部集』のフランス語訳。底本は、『新潮日本古典集成』(新潮社)。但し、底本の128首ではなく、古本系の陽明文庫本により、131(114首+日記歌17首)首を収める。
 序文は翻訳者René Sieffert自身によるもの。『源氏物語』、紫式部の略歴、自ら手がけた『紫式部日記』(冊子番号40参照)について触れる。「フランス語に訳すことによって、歌のリズムを失わないように努めた」と述べる。『紫式部集』中、58首の勅撰和歌集入集歌の歌番号を巻末に列挙。
 和歌の並べ方は、見開き左頁に和歌の注、右頁に詞書と和歌(5行書き)という体裁。原本のテーマ別に分けて和歌の配置を構成する。〔菅原〕

小説・入門書・研究書

48

THE TALE OF MURASAKI

Liza Dalby
New York [アメリカ] : Anchor Books
2001.426p.21㎝./『紫式部物語』/英語/小説

 本書は、2000年に出版されたLiza Dalby(ライザ・ダルビー)による小説『紫式部物語』のAnchor Books版。ペーパーバック。表紙のデザインは、Timothy Hsuによる。扉絵には、月岡芳年[1839-1892]の「月百姿 石山月」を掲載。本文の前には、日本地図、京から越前への行程図、平安京図を載せる。
 内容は、47章から成る。架空の人物との恋愛や清少納言と出会いを描くなどフィクションの部分もあると同時に、『紫式部日記』『紫式部集』を踏まえて紫式部の和歌はほぼすべて盛り込んでいる。
 現在、ドイツ語・フランス語・オランダ語・イタリア語・スペイン語など多言語に翻訳され、日本でも、岡田好恵訳『紫式部物語―その恋と生涯』(上下)として2000年に光文社から出版。
 著者Liza Dalbyは、アメリカ生まれ。『源氏物語』を読んで日本文化に興味を持ち、日本に留学。京都で芸者をした自らの体験をふまえて、博士論文「日本社会における芸者制度」を書く。他に『芸者 ライザと先斗町の女たち』(入江恭子訳 阪急コミュニケーションズ 1985)がある。〔菅原〕

49

THE WORLD OF THE SHINING PRINCE : Court Life in Ancient Japan

Ivan Morris [1925-1976]
London [イギリス] : Oxford University Press
1964.336p.23cm./『源氏物語』/英語/研究書

 Ivan Morrisによる『光源氏の世界』。イギリスのOxford University Pressから出版。表紙は国宝『源氏物語絵巻』「竹河二」。口絵にも同じ絵の一部を使用。そでの部分には『源氏物語』が書かれた時代背景、著者Ivan Morrisについて、および表紙の解説を載せる。
 本書は、『源氏物語』を読むことで平安時代を知ることができるという視点から、平安時代を「光源氏の世界」と位置付け、この時代の特異性を読み解こうとする。自然環境が及ぼす影響、平安京の構造、社会的背景、宮廷生活ついて、政治的な状況、当時の仏教観、迷信など、平安時代を多方面から、しばしば比較文化的な方法も用いて考察する。その記述は詳細であり、年中行事、有職故実についての細かな解説から時代状況を見ることができる。これらの具体的な解説のために『枕草子』『和泉式部日記』『更科日記』など同時代の文学作品を引用する。『源氏物語』の記述は、第9章「MURASAKI SHIKIBU」で、『源氏物語』の評価の変遷や、成立をめぐる疑問など、様々な問題点を取り挙げ、一方で紫式部の人物像にも言及する。ならびに、第10章「ASPECTS OF 'THE TALE OF GENJI'」では、『源氏物語』の物語の構成を省察。登場人物の年齢や事件年代の正確さ、伏線について考察し、「心理小説」とも言うべき『源氏物語』の描出法を解説する。作者紫式部の細やかな観察眼や巧妙な描写力を評価することを通して、『源氏物語』が受容されてきた要因にもせまる。また、Arthur Waleyの翻訳などにも触れ、現代人にとって『源氏物語』が難解なものになっている要因にも言及する。
 著者Ivan Morrisはロンドン生まれ。ハーバード大学にて日本文学を学び、ロンドン大学で博士号を取得。翻訳に『金閣寺』『枕草子』がある。本書の原典からの英訳は著者本人が行っている場合も多い。〔七田〕

50

THE WORLD OF THE SHINING PRINCE : Court Life in Ancient Japan

Ivan Morris [1925-1976]
New York [アメリカ] : Alfred A.Knopf
1964.336p.22 cm./Borzoi books/『源氏物語』/英語/研究書

 Ivan Morrisによる『光源氏の世界』。本書は、アメリカのAlfred A.Knopf社から出版されたもの。ロンドンでOxford University Pressより出版されたものと同年に発行(冊子番号49参照)。表紙は、Jeanyee Wongによるイラストで、花のムラサキシキブと高欄を描く。序文の前に「To Arthur Waley」と献辞がある。副題からも分かるように、平安時代(本書では特に10世紀半ばから11世紀半ばまで)の宮廷生活の実態と『源氏物語』の世界を絡めた研究書であるが、序文には、一般読者のために書いたとある。
 内容は、平安時代、背景、政治と社会(天皇家、藤原家、社会、行政、経済、地方官と下層階級)、宗教、迷信、貴族の生活、美の礼賛、平安朝の男女の関係、紫式部、『源氏物語』についてなど多岐にわたる。巻末に付録があり、7~16世紀の日本・中国・朝鮮の時代区分表、天皇の即位年代、関白の在位期間、藤原氏および『源氏物語』の主要登場人物の系図、参考文献、索引などを収める。〔山田・河〕

51

THE WORLD OF THE SHINING PRINCE : Court Life in Ancient Japan

Ivan Morris [1925-1976]
東京 [日本] : Charles E.Tuttle Company
1978.336p.19cm./ 『源氏物語』 /英語/研究書

 1964年にAlfred A.Knopf社が出版したIvan Morris『光源氏の世界』のCharles E.Tuttle Company版。表紙は国宝『源氏物語絵巻』「宿木二」。また裏にはIvan Morrisの写真と履歴を記載する。〔河〕

52

THE WORLD OF THE SHINING PRINCE : Court Life in Ancient Japan

Ivan Morris [1925-1976]
London [イギリス] : Penguin Books
1969.348p.19㎝./『源氏物語』/英語/研究書

 1964年にOxford University Pressが出版したIvan Morris『光源氏の世界』のPenguin Books版。表紙は『紫式部日記絵巻』の紫式部を藤原実成と藤原斉信が訪ねる場面。〔七田〕

53

IL MONDO DEL PRINCIPE SPLENDENTE : Vita di corte nell'antico Giappone

Ivan Morris/Piero Parri
Milano [イタリア] : Adelphi Edizioni
1984.419p.22cm./『源氏物語』/イタリア語/研究書

 Ivan Morris『光源氏の世界』のイタリア語訳。翻訳者はPiero Parri。表紙は国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫二」。ブックカバーには、平安時代の日本文学の説明とIvan Morrisの略歴を記す。本文はもちろん、脚注や付録に至るまで原書を忠実に翻訳しているが、巻末のIndexは省略。
 出版社Adelphi Edizioniは、Einaudi(エイナウディ)社で刊行できなかったニーチェの全集を発行する目的で、同社の編集者などが創設。〔山田〕

54

DER LEUCHTENDE PRINZ :Höfisches Leben im alten Japan

Ivan Morris/Ursula Gräfe
Frankfurt am Main [ドイツ] : Insel Verlag
1988.419p.21cm./『源氏物語』/ ドイツ語/研究書

 Ivan Morris著『光源氏の世界』のドイツ語訳。Ursula Gräfe(ウルスラ・グレーファ)による翻訳。表紙カバーは、国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫二」の光源氏と冷泉院が対面する場面を用いる。
 原著にある前書き1頁は省略され、目次、序論から始まる。参考文献には、原著に記載のあるものに、その後出版された文献も加える。表紙見返しでは、著者Ivan Morrisについてや、源氏物語が書かれた時代背景などの簡単な説明を記す。
 翻訳者Ursula Gräfeは、村上春樹『Naokos lacheln(ノルウェイの森)』、奥泉光『Das Gedachtnis der Steine(石の来歴)』、石牟礼道子『Paradies im Meer der Qualen : unsere Minamata-Krankheit(苦海浄土 わが水俣病)』他、多数の翻訳を手がけている。〔大野〕

55

GENJI DAYS(源氏日記)

Edward G. Seidensticker [1921- ]
東京[日本] : 講談社国際出版社
1977.225p.22cm./英語


 Edward G. Seidenstickerによる『源氏物語』の翻訳日記。内容は、1970年1月17日から1975年1月3日まで。序文によると、1959年の元旦(Genji years)から『源氏物語』の翻訳を始めたが、1968年の後半と1969年には川端康成の作品の翻訳のために一時中断。本書は、翻訳を再開した1970年から1974年、さらに1975年(The last five Genji years)の記事。慎重にArthur Waleyの訳と対校したこと、大学の講義、巻名の訳し方の悩みなど、『源氏物語』を翻訳する過程と苦悩を綴る。
 表紙は、著者架蔵の土佐光起筆「御法」の扇絵。裏表紙に著者の写真がある。〔頼〕

56

MODERN JAPANESE FICTION AND ITS TRADITIONS : an introduction

J.Thomas Rimer
New Jersey [アメリカ] : Princeton University Press
1978.313p.23cm/『伊勢物語』『源氏物語』『平家物語』他/英語/研究書

 J.Thomas Rimerによる『伊勢物語』『源氏物語』『平家物語』「能」、日記、安部公房、井伏鱒二、上田秋成、遠藤周作、開高健、川端康成、太宰治、谷崎潤一郎、永井荷風、夏目漱石、森外の作品などの日本文学全般の研究書である。付録の『竹取物語』の訳は、Donald Keene (ドナルド・キーン)による。
 章立ては全13章。『源氏物語』については第5章と第11章の2箇所で扱われており、合計50ページほどである。第5章では『伊勢物語』とともに『源氏物語』について言及する。例えば、藤原定家の「春の夜のゆめのうき橋とだえして峰にわかるる横雲のそら」という歌をローマ字書きし、それと並べて「The bridge of dreams Floating on the brief spring night Soon breaks off: Now from the mountaintop a could Takes leave into the open sky.」と英訳している。この歌の「The bridge of dreams」は、 『源氏物語』の「夢浮橋」から引用したものであると紹介し、谷崎潤一郎の現代語訳にも触れる。第11章では、『源氏物語』の英訳本などの解説を載せる。〔狩集〕

57

UKIFUNE : love in the Tale of Genji

Andrew Pekarik
New York [アメリカ] : Columbia University Press
1982.278p.24cm./『源氏物語』/英語/研究書

 「浮舟」を中心とした論文集。巻頭にIvan Morrisの思い出を載せる。巻末には事象索引でまとめた「浮舟」のあらすじ(底本は『日本古典文学大系』岩波書店)、巻名の英語対訳一覧(Edward G. SeindenstickerとArthur waley)、主要人物紹介、 『源氏物語』の鑑賞案内としての参考図書などを掲載。収録論文は、以下の通り。
1.Edward G. Seidensticker 「Rough Business in "Ukifune" and Elsewhere」
2.Esperanza Ramirez-Christensen 「The Operation of the Lyrical Mode in the Genji Monogatari」
3.Earl Miner 「The Heroine:Identity, Recurrence, Destiny」
4.Aileen Gatten 「Three Problems in the Text of "Ukifune"」
5.Haruo Shirane 「The Uji Chapters and the Denial of the Romance」
6.Ivan Morris and Andrew Pekarik 「Deception and Self-Deception」
7.Amy Vladeck Heinrich 「Blown in Flurries:The Role of the Poetry in "Ukifune"」
8.Julia Meech-Pekarik 「The Artist's View of Ukifune」 (解説中に浮舟に関する書画を23図収める)
9.Andrew Pekarik 「Rivals in Love」
10.Earl Miner 「Narrative Parts and Conceptions」
 編者Andrew Pekarikは、Ivan Morrisに師事。コロンビア大学の日本文学科で博士号を取得。1994年よりスミソニアン博物館のアナリストとなり、東洋美術の専門家である。その他の著書に『Japanese Lacquer1600-1900』『Painting (Behind the Scenes)』などがある。〔七田〕

58

ICONOGRAPHY OF THE TALE OF GENJI : Genji Monogatari Ekotoba

Miyeko Murase [1924- ]
[アメリカ]&[日本] : Weatherhill
1983.351p.27cm./『源氏物語』/英語

 源氏絵の解説書。表紙の絵は「浮舟」。宇治にやってきた匂宮が浮舟の侍女の侍従と対面する場面。裏表紙は表の匂宮と侍従の部分を抜き出したもの。第1章では『源氏物語』の解説をする。第2章は絵と絵詞を掲載。各巻2~9枚程度で、約240枚を載せる。中央に「若紫」「賢木」「絵合」「薄雲」「常夏」「野分」「若菜下」(2枚、2枚目は同じ絵の拡大図)「東屋」「浮舟」(表紙の絵)の10枚のカラーページがある。巻名は、Edward G. Seidensticker訳と同じ。本書の終わりには源氏物語絵の注釈書の一覧を載せ、解説を付す。
 Miyeko Murase(村瀬実恵子)は、ニューヨーク・メトロポリタン美術館日本美術担当・特別顧問。コロンビア大学名誉教授。主著に『日本障屏画名品選―在米コレクション』がある。〔狩集〕

59

THE TALE OF GENJI : legends and paintings.

Miyeko Murase
London [イギリス] : British Museum Press
2001.136p.23cm./ 『源氏物語』/英語

 本書は、土佐派の源氏絵の解説書。副題の「legends」は「絵の説明」の意。土佐派の源氏絵を各巻毎に選び出し見開きの左頁に掲げ、右頁にその解説を付す。これらの解説は絵の説明であるとともに、それらを通読することにより、『源氏物語』の概要をつかめるものとなっている。表紙は「初音」、裏表紙は「浮舟」。内題の絵は、「夕霧」。はじめに、紫式部や『源氏物語』の説明がある。巻末には登場人物の紹介をアルファベット順で記載。巻名は、Edward G.Seidensticker訳と同じ。〔狩集〕

60

GUIDE TO THE TALE OF GENJI( 『源氏物語』入門)

William J. Puette
東京[日本] : Charles E.Tuttle Company
1983.196p.20cm./『源氏物語』/英語

 本書は、William J. Puette(ウイリアム・J・ピューエット)による 『源氏物語』の入門書。扉には、「螢」において玉鬘に物語論を語る源氏の言葉「かゝる、世の古事ならでは、げに、何をか、紛るゝことなきつれづれを慰めまし。」を引用し、「Were it not for these old romances, what would we do to beguile our idle hours?」と訳したものを記す。第1章は「源氏の世界」。第1節では、平安時代の宮廷文化について述べ、十二単などの挿絵、源氏香の図などを載せる。図は「桐壺」~「葵」の9図である(冊子番号1参照)。第2節では、神道、儒教、道教、仏教などの宗教観を説明。第3節では、「あはれ」と平安時代の和歌を紹介。第4節は紫式部の伝記について。第5節は 『源氏物語』の英語訳の説明。2章では『源氏物語』の「桐壺」から「葵」までの注釈を備えた詳細な大意と、「賢木」から「夢浮橋」までの要約を記載。第3章には物語の構造に関する疑問点などをあげる。巻末には、登場人物一覧、日本地図、平安京周辺図、大内裏図、内裏図を掲載。
 著者William J. Puetteは、ペンシルベニア・エジンバラ大学で修士号を取得。ハワイのマノア大学で博士号を取得。京都を訪問してから『源氏物語』の世界に興味を持ち、ハワイ大学で日本文学を教えるようになった他、京都の大学でも人文学と言語学を教えた。著書に、『Through Jaundiced Eyes: How the Media View Organized Labor』(ILR Press Books)がある。〔狩集〕

61

THE TALE OF GENJI(「源氏物語」入門) :A READER'S GUIDE

William J. Puette
東京[日本] : Charles E.Tuttle Company
1992.196p.19 cm./『源氏物語』/英語

 本書は、William J. Puette(ウイリアム・J・ピューエット)による 『源氏物語』の入門書(冊子番号60参照)。1983年に、同社より出版されたもののペーパーバック版。内容は、構成、頁数にいたる
まで同じものとなっている。表紙は、国宝『源氏物語絵巻』「東屋一」。カバーの裏にはThe Japan Timesの「紫式部の驚くべき世界についての知識を深くしたい人々にはPuetteのガイドが最も有用なものに感じるでしょう。」という記事の一部を載せる。〔河〕

62

THE TALE OF GENJI

Richard Bowring(リチャード バウリング) [1945- ]
New York [アメリカ] : Cambridge University Press
1988.111p.21cm./『源氏物語』/英語

 本書は、Richard Bowring(リチャード・バウリング)による『源氏物語』の解説書。1988年に出版されたペーパーバック版の初版。巻頭に、Ather Waley、Seidenstickerの巻名比較、及び人物相関図を載せる。第1章は、『源氏物語』の文化的背景、第2章は、「桐壺」から「須磨」、「明石」から「少女」、「玉鬘」から「藤裏葉」、「若菜」から「幻」、「匂宮」から「夢浮橋」と各章に分けて概要を記す。第3章は、文体、第4章が享受史や現代語訳などの状況について述べる。
 著者Richard Bowringは、ケンブリッジ大学で森外の研究で文学博士号を取得。アメリカのコロンビア大学、プリンストン大学などを経て、ケンブリッジ大学の教授。本書は、「Landmarks of World Literature」の世界文学シリーズの1冊。現在約50冊の世界名作の本を出版する。[河]

63

TALE OF GENJI

Tosa Mitsunori [1583-1638]
[日本]/The Shogun Age Exhibition Executive Committee
1983.折本.21cm./『源氏物語』/英語

 土佐光則筆『源氏物語画帖』の複製。全長10メートルの折本。箱入り。表紙は、朱色の布張り。中央に、白無地の題簽を付し、金文字で書名を記入。外箱の中央に「若紫」の一場面を貼付。「桐壺」「夕顔」「若紫」「花宴」「葵」「賢木」「花散里」「須磨」「明石」「関屋」「絵合」「松風」「薄雲」「朝顔」「初音」「篝火」「藤袴」「藤裏葉」「鈴虫」「幻」の20帖を選び、絵と詞書を掲載。後半は各場面の説明を載せる。
 土佐光則は、江戸初期の土佐派の絵師。土佐派は大和絵様式を代表し、狩野派とともに日本画の二大流派。〔狩集〕

64

POETIC ALLUSION : some aspects of the role played by Kokin Wakashuu as a source of poetic allusion in Genji Monogatari

Gunilla Lindberg-Wada
Stockholm [スウェーデン] : University of Stockholm
1983.278p.25cm./『源氏物語』/英語

 『古今和歌集』と『源氏物語』の関わりについての論文。手書きの日本語で書かれたサマリの小冊子を付す。特に「引歌」の効果の論考が中心となる。ここでの引歌の基準は、本文に『古今和歌集』と共通の一句があること、引歌によって『源氏物語』本文の潜在的な意味が明確になる、もしくは他の文学作品との関連の中での意味付けがなされることの2点。これにより引歌を含む文脈は188箇所となり、さらに引歌の効果をa「装飾的表現」b「含蓄のある表現」c「表現深化」d「認識の道具」の四つに部類し、188の文脈を、(1)対話、心中描写、手紙、(2)地の文、の二つに大別。(1)は元となる和歌を想起して初めて本文の意味が掴めるもので、上記のa、bに相当。(2)は元になった和歌を想起した時の方が意味の範囲がより広くなるものでありc、dに相当する。以上の分析により引歌は男女間の感情を表現する役割が多いこと、非日常空間で使用されていることを証明する。巻頭に平安京図等、巻末には毛筆書きの古今集歌、巻中に『源氏物語絵巻』からの挿絵なども掲載する。
 著者Gunilla Lindberg-Wadaは、1990年よりストックホルム大学の日本学の教授。1975年から1978年まで東京大学で研究。著作活動は1970年代から。その領域はロッキード事件についての論考から八代集の考察に至るまで幅広い。最近の編著として『An Arctic Passage to the Far East: The Visit of the Swedish Vega Expedition to Meiji Japan in 1879』がある。〔七田〕

65

THE BRIDGE OF DREAMS : Poetics of 'The tale of Genji'

Haruo Shirane [1951- ]
California [アメリカ] : Stanford University Press
1987.276p.24cm./『源氏物語』/英語/研究書

 Haruo Shirane(ハルオ・シラネ)による『源氏物語』の研究書。ペーパーバック。表紙は、作者未詳『柳橋水車図』。1987年に全米で出版された人文科学の全分野にわたる学術研究書のうち、最もすぐれた研究書の1冊に選ばれた。
 内容は4部構成。第1部では、主に光源氏の「流離譚」を中心に、王権とその侵犯についての考察と、流離ののちに栄華を極めていく様子などを政治的な角度から説く。第2部と第3部では、平安時代の実在の人物や事象と、各女主人公達の考察を通して、恋愛、結婚、人間関係などを、社会的な状況との関わりから論じる。第4部では宗教的な事柄についての論考。光源氏や宇治十帖の主人公たちの懊悩に焦点を当て、因果応報や無常観など物語中の仏教的なモチーフを考察し、『源氏物語』の主題を展開する重要な要素として精神的探求譚という話型を提出する。これらのトピックスを、先行する言説や政治的、社会的、宗教的歴史、『源氏物語』成立時の既存の文学の諸形式、主題群、比喩などとの関連から分析し、各トピックスがどのように発展し、覆され、変容していくのかを探ろうとす。その際、『源氏物語』と和歌を中心とする詩的伝統との関係、先行する物語群との関係、『源氏物語』のおかれた歴史的文脈との関係、『源氏物語』自体の描く部分間の関係の分析という方法をとる。これらの方法によって、物語空間としての『源氏物語』を、多用なテキストの関連総体という形で浮かび上がらせようとする。なお、解説の際に引用した和歌には英訳を併記。巻末に『源氏物語』の主要登場人物紹介、作者について、テキストの解説を載せる。また第3部10章目の途中には、8頁分の国宝『源氏物語絵巻』を解説と共に掲載。
 著者Haruo Shiraneは、1983年に『源氏物語』研究でコロンビア大学より博士号を取得。1987年よりコロンビア大学教授。著書に『Traces of Dreams: Landscape, Cultural Memory, and the Poetry of Basho(芭蕉の風景 文化の記憶)』『Inventing the Classics: Modernity, National Identity, and Japanese Literature(創造された古典―カノン形成・国民国家・日本文学)』などがある。〔七田〕

66

夢の浮橋 : 『源氏物語』の詩学

Haruo Shirane [1951- ]/鈴木登美 北村結花訳
東京 [日本] : 中央公論社
1992.385p.20cm./『源氏物語』/日本語/研究書

 1987年出版のハルオ・シラネ著『The Bridge of Dreams :A Poetics of 'The Tale of Genji'』の日本語訳(冊子番号65参照)。訳出の方法は、北村結花の訳に鈴木登美が手を加える。また、序は鈴木の訳による。表紙は、原著と同じ『柳橋水車図』。第3部の途中にあった国宝『源氏物語絵巻』8頁は省略。
 訳者鈴木登美は、東京大学博士課程をへて、エール大学にて博士号取得後、コロンビア大学助教授。著書にハルオ・シラネとの共著『Inventing the Classics: Modernity, National Identity, and Japanese Literature(創造された古典―カノン形成・国民国家・日本文学)』、『Narrating the Self: Fictions of Japanese Modernity(語られた自己―日本近代の私小説言説)』がある。
 北村結花は東京大学出身、1999年より神戸大学助教授。〔七田〕


67

THE SPLENDOR OF LONGING IN THE TALE OF GENJI

Norma Field [1947- ]
New Jersey [アメリカ] : Princeton University Press
1987.372p.23cm./『源氏物語』/英語/研究書

 Norma Field(ノーマ・フィールド)による『源氏物語』の研究書。表紙、裏表紙、中表紙は、国宝『源氏物語絵巻』「夕霧」。内容は主に『源氏物語』の女性たちに対する言及を行う。序においては『源氏物語』の享受史や近代以降の現代語訳、翻訳について、平安時代の支配構造、一条朝後宮の状況や他の女流文学にも触れる。第1章は「Three Heroines and the Making of the Hero」と題し、藤壺、六条御息所、明石の君を取り上げ、光源氏という主人公像の形成過程を論じる。第2章は「A Minor Heroine and the Unmarking of the Hero」の題で玉鬘などを傍流のヒロインと位置づけるとともに、源氏の変化を六条院の様子などを通して述べ、第3章「A Substitute for All Seasons」は紫の上の生涯に関する論考を中心にして源氏の晩年にまで言及する。第4章は「Woman Beyond the Capital」として宇治十帖の解説をする。論考にあたっては現代の各注釈書や『湖月抄』、玉上琢弥による現代語訳などを参考にした。論考中の『源氏物語』からの引用の訳は基本的に著者自身の手による。
 著者Norma Fieldは、東京生まれ。1983年にプリンストン大学で博士号を取得。専攻は日本文学・日本文化。シカゴ大学人文学部東アジア言語文化学科長。著書に『天皇の逝く国で』(1994)、『祖母のくに』(2000)、『From My Grandmother's Bedside: Sketches of Postwar Tokyo』(1997)、翻訳に夏目漱石『それから』(1974)がある。〔七田・狩集〕

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INTRODUÇÃO AO GUENJI MONOGATARI (源氏物語の紹介)

Mitsuko Kawai[1921- ]
San Paulo(サンパウロ)[ブラジル] : Editora do Escritor
1988.15p.23㎝./『源氏物語』/ポルトガル語/研究書(冊子)

 Mitsuko Kawai(河井美津子)による『源氏物語』の紹介書のポルトガル語版で、本書は第2版。
 表紙は、与謝野晶子訳『源氏物語』の絵(紫式部)による。挿絵には、宮殿の祝宴・男性の装束・女性の装束・牛車・須磨寺・『白滝姫物語』(松崎寛著)の観桜の絵を載せる。
 序文は、Vinicio Stein Camposにより、著者「Mitsuko Kawai(河井美津子)」の紹介、歴史的な文化財に関して、本書の内容の説明を述べる。内容は、「歌合せ」「観桜」「観月」などを含めた宮中行事、『源氏物語』の主要登場人物、「薫物合」「装束」となっている。
 著者の河井美津子は、群馬県桐生市生まれ。児童文学『桐生織姫伝説 白滝姫物語』(松崎寛(文と絵) 1982 群馬県文学賞児童文学賞受賞作品)のポルトガル語訳の小冊子を書いている。そのためか、『白滝姫物語』の絵を本書にも掲載する。〔菅原〕

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A WOMAN'S WEAPON : spirit possession in the Tale of Genji

Doris G. Bargen
Honolulu [アメリカ] : University of Hawaii Press
1997.379p.24cm./『源氏物語』/英語/研究書

 Doris G. Bargenによる『源氏物語』の研究書。ペーパーバック。表紙は、横川の僧都の手によって剃髪しようとしている浮舟の絵(『源氏物語図屏風』)。
 副題の「spirit possession」は、「もののけ」の意。序において、仮名文学の背景にある社会的状況、特に貴族階級の女性達の置かれた立場を解説。「もののけ」を女性の執心と位置付けるが、従来の嫉妬心から引き起こされた現象とする受け止め方に対し、男性中心社会に対置しうる女性の戦略的なあり方の一環として捉えて、『源氏物語』の世界を読み解こうとする。本論はまず女性の執心を引き起こす社会的、一般的な背景を述べ、夕顔、葵の上、紫の上、女三の宮、浮舟という項目に分けて、各女主人公達がもののけになやまされ、運命を翻弄されるエピソードを詳察する。また、香に魂を鎮める働きを認め、源氏香の説明も載せる。
 巻中には『源氏物語』に関する写真及び図版(カラー14図、白黒12図)を掲載。中には夕顔をモチーフにした浮世絵や、能『野々宮』をもとにした意匠の印籠と根付などもある。巻末に付録として『源氏物語』の年譜を載せ、年代順に「もののけ」の出現を整理。詳しい登場人物関係図も掲載。
 著者Doris G. Bargenは、マサチューセッツ大学の日本文学および日本文化学の教授。〔七田〕

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THE TALE OF GENJI : Scenes from the world's first novel

Murasaki Shikibu/切り絵 宮田雅之 [1926-1997],序文 瀬戸内寂聴 [1943- ],エッセイ ドナルド・キーン [1922- ],英訳 H.Mack Horton [1952- ]
東京 [日本] : 講談社インターナショナル
2001.239p.23cm./『源氏物語』/英語

 本書は、切り絵画家宮田雅之が『源氏物語』54巻の各巻に1枚ずつ書いた挿絵を中心に構成し、各巻のあらすじを1頁で簡潔にまとめ、日英対訳で付したもの。英文は、H.Mack Horton担当。和文の監修は高木和子(関西学院大学講師)。巻頭に、瀬戸内寂聴の序文、ドナルド・キーンのエッセイを載せ、それも日英対訳になっている。両者ともに絵画と物語の結びつきによる効果を説く。瀬戸内は「「源氏物語」と絵画」と題し、「絵合」を例にあげ、平安朝の絵画をめぐる教養を中心に述べる。キーンは「「源氏物語」の再現」と題し、国宝『源氏物語絵巻』をとりあげ、物語が芸術作品として受容されていた側面を強調。本書における宮田の挿絵の独自性や芸術性を評価する。巻末には主要人物系図を掲載。
 宮田雅之は、東京生まれ。谷崎潤一郎に見出され、谷崎をはじめとする文学作品の挿絵を担当し評価を得る。1995年、日本人初の国連公認画家に選任。1996年より中国伝統芸術切り絵の画家として、北京中央工芸美術大学、上海大学美術学院の客員教授に就任。その作風は1枚の紙を1本の刀で切り上げるもので、白と黒をベースとしたカラーの作品である。本書と同じシリーズに『対訳万葉恋歌 Love Songs from the Man'yoshu』『対訳おくのほそ道 The Narrow Roadto Oku』『対訳竹取物語 The Tale of the Bamboo Cutter』がある。
 訳者H.Mack Hortonは、カリフォルニア大学助教授。1989年『日本古典文学の研究』でカリフォルニア大学より博士号取得。『宗長日記』『源氏物語絵詞』の翻訳研究などがある。〔七田〕

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A STRING OF FLOWERS, UNTIED… : love poems from the Tale of Genji

Murasaki Shikibu/Jane Reichhold with Hatsue Kawamura
California [アメリカ] : Stone Bridge Press
2003.237p.21cm./『源氏物語』/英語

 本書は、Jane Reichhold(ジェイン・ライチホールド)とHatsue Kawamura(川村ハツエ)による『源氏物語』の解説書。表紙は、紫を基調に藤の花をあしらったもの。「桐壺」~「藤裏葉」までの解説と和歌を載せる。各巻名の下に、当該年における光源氏の年齢を明記。各巻冒頭には、『源氏物語』の和歌に与謝野晶子の歌も載せる。和歌はローマ字を左に、英訳を右に載せて対応。本文の左右にも白黒で藤の花を配し、そこに注を付す。巻頭は、翻訳本などの説明や登場人物紹介、あとがきでは、紫式部のこと、『万葉集』から俵万智までの短歌の説明を簡潔に述べる。
 Hatsue Kawamuraは、茨城の歌人。著書に『F・V・ディキンズ 日本文学英訳の先駆者』『能のジャポニスム 』、訳書に、W.G.アストン『日本文学史』、歌集に『地虫怯まず』(英語版『On Tsukuba Peak』)がある。
 Jane Reichholdの著書には、『A Dictionary of Haiku』『Wave of Mouth Stories』などがある。〔狩集〕


漫画

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THE ILLUSTRATED TALE OF GENJI :A Classic Japanese Romance

Murasaki Shikibu/画 つぼいこう[1951- ],監修 清水好子[1921- ],英語監修 小中陽太郎[1934- ],英訳 Alan Tansman[1960- ]
東京 [日本] : 新人物往来社
1989.300p.22cm./『源氏物語』/英語

 つぼいこうによる漫画版『源氏物語』の英訳。訳は、Alan Tansman(アラン・タンスマン)による。「光」「嵐」「華」「幻」「夢」と題する5章に全体を分ける。本文の前にカラーページが4頁。見開きで人物相関図を付す。「桐壺」から「夢浮
橋」までを簡潔に1冊にまとめる。装幀は菊地信義。
 漫画作者のつぼいこうは、東京生まれ。他の著作に、『まんが人物・日本の歴史』がある。英語監修の小中陽太郎は、神戸生まれ。東京大学出身。1983~84年にフルブライト交換教授として、アメリカの大学で日本文学とジャーナリズムについて講義を担当。中部大学教授。
 訳者のAlan Tansmanは、ハバナ生まれ。1981年にコロンビア大学卒業。本書によると、エール大学、博士課程に在籍。〔狩集〕

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GENJI MONOGATARI ASAKIYUMEMISHI (源氏物語 あさきゆめみし)

Yamato Waki/Keiko Sato,Hedi Hahn
Böblingen[ドイツ] : Okawa Verlag
1992.1v.198p.21cm./ドイツ語版コミック/『源氏物語』/ドイツ語
Böblingen[ドイツ] : Okawa Verlag
1993.2v.185p.21cm./ドイツ語版コミック/『源氏物語』/ドイツ語
Böblingen[ドイツ] : Okawa Verlag
1993.3v.195p.21cm./ドイツ語版コミック/『源氏物語』/ドイツ語