源氏物語 | ||
英語 | ||
Murasaki Shikibu/Kenchio Suyematz [1855-1920] | ||
末松謙澄(すえまつけんちょう)による『源氏物語』の英訳。同作品の翻訳としては世界初のもので、初版は1882年、Trubner & Co.(トルブナー社・ロンドン)より「桐壺」から「絵合」までを出版。但し出版年はその前年とする説もある。日本でも1894年に丸善から「英文日本文庫」シリーズの2巻目として出版。ちなみに同シリーズの1巻目はF.V.Dickinsによる『忠臣蔵』の英訳であった。 |
Murasaki Shikibu/Kencho Suematsu [1855-1920] | ||
末松謙澄による『源氏物語』の英訳。1974年Charles E. Tuttle Companyより出版。オリジナルは1882年(明治15)、トルブナー社(ロンドン)。本書には著者による序文の前にTerence Barrow(Ph.D.)による「Introducion To The New Edition」がある。この新版序文は平安時代、源氏物語、紫式部などについての概説で、末松にはほとんど触れていない。1900年にColonial Pressからロンドンとニューヨークで出版された『Persian and Japanese Literature』(全2巻)に収められているものだとあるのみである。 |
Murasaki Shikibu/Kencho Suematsu [1855-1920] | ||
末松謙澄による『源氏物語』の英訳。Tuttle版(冊子番号2)の新装版。2000年。Terence Barrowの新版序文、著者序文等、内容構成に変化なし。 |
Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966] | ||
Arthur Waley訳 『源氏物語』 の初版。正篇を4巻に分ける。濃紺の表紙に金の背文字。 |
Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966] | ||
Arthur Waley訳 『源氏物語』 の初版。続編を2巻に分ける。緑色の表紙に金の背文字。 |
Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966] | ||
Arthur Waleyによる『源氏物語』の英訳。1925年から1933年までの6度の出版により完結した(但し「鈴虫」欠)ものを1冊本としたもの。 |
Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966] | ||
Arthur Waleyによる『源氏物語』の英訳。1970年、Charles E.Tuttle Companyより出版。本書は1971年2刷。1925年から1933年までの6度の出版により完結した(但し「鈴虫」欠)ものを2冊本とし、一つの函に収めたものである。 |
Lady Murasaki/Arthur Waley [1889-1966] | ||
Arthur Waleyによる『源氏物語』の英訳。本書は、1970年にCharles E.Tuttle Companyから出版されたものの新装版。箱入りの2冊本、第13刷。冊子番号7同様、第1巻は「桐壺」~「野分」、第2巻は「行幸」~「夢浮橋」を収める。各Partごとに主要登場人物の紹介がある。 |
Murasaki Shikibu/Piero Jahier [1884-1966] | ||
Arthur Waley訳『源氏物語』のイタリア語訳。「匂宮」から「夢浮橋」までを収める。1944年~1947年のPiero Jahier(ピエーロ・ジャイエ)によるイタリア語訳を、1981年にNuovo Portico(ヌオヴォ・ポルティコ)シリーズ第26・27として出版。なお、2002年にTascabili Bompiani(ポケットブック版)も出版されている。 |
Murasaki/Adriana Motti | ||
Adriana Motti(アドリアナ・モッティ)によるArthur Waley訳『源氏物語』のイタリア語訳。箱入りの2冊本。「Einaudi tascabili」シリーズ第83号。第1巻は「桐壺」~「松風」、第2巻は「薄雲」~「幻」(「鈴虫」欠)を収める。本文の前に、登場人物一覧を挙げる。 |
Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ] | ||
Edward G.Seidenstickerによる『源氏物語』の英訳の初版。ハードカバー2冊本セット。箱入り。外箱には、桃山時代に描かれた作者未詳『秋草図』の一部分を用いる。第1巻は「桐壺」~「梅枝」、第2巻は「藤裏葉」~「夢浮橋」を収める。底本は、『日本古典文学大系』(岩波書店)で、その他『日本古典文学全集』(小学館)、玉上琢弥著『源氏物語評釈』(角川書店)、円地文子・谷崎潤一郎・与謝野晶子の現代訳を参照する。本文の前には、登場人物の紹介がある。本文の挿絵は、山本春正編『絵入源氏物語』(1650)。山本春正は、江戸時代に蒔絵師を本業とした地下歌人。編集と同時に全226図の版下を描いたとされ、専業の絵師が出現する以前の大作として注目すべきものである。 |
Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ] | ||
1976年に同社が出版したEdward G. Seindensticker訳『源氏物語』 のハードカバー2冊を1冊にまとめたペーパーバック版。内容、紹介、主要登場人物の説明などに至るまで初版と同じである。表紙も『秋草図』を用いる。〔河〕 |
Murasaki Shikibu/Edward G. Seidensticker[1921- ] | ||
1976年にAlfred A.Knopf社が出版したEdward G. Seindensticker訳『源氏物語』のCharles E.Tuttle社版。箱入りの2冊本セット。内容、挿絵ともAlfred A.Knopf社と同様であるが、外箱および表紙は、円山応挙筆『藤花図』を用いる。また、前後の見返しの部分には、Alfred A.Knopf社のものにはない『源氏物語』や紫式部、翻訳者Seindenstickerについての紹介を載せる。〔ガンデルスカ〕 |
Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ] | ||
1976年にAlfred A.Knopf社が出版したEdward G.Seidensticker訳『源氏物語』から、「桐壺」「夕顔」「若紫」「紅葉賀」~「澪標」「絵合」を抜粋。本文中には、初版と同じように、山本春正編『絵入源氏物語』の挿絵を掲載し、主要登場人物一覧を付す。 |
Murasaki Shikibu/Edward G.Seidensticker [1921- ] | ||
本書は、Edward G. Seindensticker訳 『源氏物語』の Everyman's Library版。ハードカバー2冊本の初版を1冊にまとめる。白と黒を基調としたカバーに「The Tale of Genji」と赤い細字で書く。 |
Murasaki Shikibu/Edward G. Seidensticker [1921- ] | ||
本書は、Charles E.Tuttle社版のEdward G. Seindensticker訳『源氏物語』の第16版。箱入りの2冊本セット。 |
/Helen Craig McCullough | ||
Helen Craig McCullough(ヘレン・クレイグ・マカラウ)による『源氏物語』と『平家物語』の抄訳。1冊の本に各物語から部分的に収録。 |
Murasaki Shikibu/Royall Tyler [1936- ] | ||
Royall Tyler(ロイヤル・タイラー)による『源氏物語』の英訳。箱入りの2冊本セット。底本として、『新日本古典文学全集』(小学館)、『新潮日本古典集成』(新潮社)、『新日本古典文学大系』(岩波書店)を参照。第1冊目に「桐壺」から「藤裏葉」、第2冊目に「若菜上」から「夢浮橋」を収める。巻名は逐語的な英訳を新たにつけ、各巻冒頭にその意味を解説し、登場人物リストを付す。また、巻末にはその巻の梗概を載せる。 |
Murasaki Shikibu/Royall Tyler [1936- ] | ||
Royall Tylerによる『源氏物語』の英訳。本書はハードカバー2冊本セットを1冊にまとめたペーパーバック版。内容については冊子番号18参照。〔狩集〕 |
中国語 | ||
紫式部/豊子愷 [1898-1975] | ||
中国語初の豊子愷による『源氏物語』の完訳。3冊本。上巻は「桐壺」~「朝顔」、中巻は「乙女」~「夕霧」、下巻は「御法」~「夢浮橋」を収める。表紙のデザインは、3巻とも銀色で平安装束を着た男女の立ち姿を描く。各表紙の色は、萌葱色、小豆色、鈍い空色。底本は不明だが、当時日本で出版されていた注釈書や現代語訳を入手し、中でも谷崎潤一郎の現代語訳やArthur Waleyの英訳を参考にしたようである。中国の章回小説(中国の伝統的な小説の書き方で、章や回ごとにわけた小説)の形式に倣って、「第1帖」を「第1回」とする。上巻の扉に主要人物関係図を載せる。葉渭渠による序文(1980)と翻訳者豊子愷の後記(1965)がある。 |
紫式部/豊子愷 [1898-1975] | ||
本書は豊子愷による『源氏物語』の中国語訳を「世界文学名著文庫」シリーズとして再版したもの(冊子番号20参照)。ハードカバーの上下巻2冊にまとめる。初版にあるカラーの挿絵が省略され、装幀はシリーズで統一したものとなっているが、内容は初版とほぼ同じである。〔頼〕 |
紫式部著/林文月 [1933- ] | ||
林文月による『源氏物語』の中国語訳。上下巻2冊。上巻は「桐壺」~「梅枝」、下巻は「藤裏葉」~「夢浮橋」を収める。表紙の題字は、書家である台湾大学中国文学科の臺静農[1902~1990]の揮毫。デザインは林文月の夫で画家の郭豫倫による。上巻の折り込みには、土佐光起筆『紫式部』と国宝『源氏物語絵巻』「蓬生」の詞書、下巻には「東屋一」を掲載する。巻末には「源氏物語各帖要事簡表」32頁を付す。底本は、『日本古典文学全集』(小学館)。Arthur Waley訳や谷崎潤一郎・与謝野晶子・円地文子の現代語訳も参考にし、翻訳の後半では出版されて間もないEdward G.Seidenstickerの英訳も参考にしたといわれる斬新な中国語訳となっている。 |
チェコ語 | ||
Murasaki Šikibu/Karel Fiala | ||
Karel Fiala(カレル・フィアラ)による初の『源氏物語』のチェコ語訳。2005~2006年頃までに全4巻を刊行予定。本書はその第1巻で、「桐壺」から「須磨」を収める。 |
フランス語 | ||
Murasaki Shikibu/Charles Haguenauer [1896-1976] | ||
本書はCharles Haguenauer(シャルル・アグノエル)による『源氏物語』の解説書で、「桐壺」のみ翻訳する。内容は、『源氏物語』の解説(31頁)、採用した翻訳の方法(6頁)、発音に関する覚書(1頁)、「桐壺」の翻訳(47頁)。解説では、『源氏物語』の概略、作者の紫式部とその時代背景、いわゆる青表紙本や河内本、別本の本文のこと、武田宗俊の玉鬘系後記挿入説に触れるなど多岐にわたる。 |
Murasaki-shikibu/René Sieffert [1923- ] | ||
René Sieffert(ルネ・シフェール)による『源氏物語』のフランス語訳。両巻の表紙は、『紫式部日記絵巻』から写し取った藤原斉信の姿を載せる。 |
ドイツ語 | ||
Murasakishikibu/Herberth E.Herlitschka [1893- ] | ||
本書は、Arthur Waley訳『源氏物語』のドイツ語訳。翻訳者はHerberth E.Herlitschka。「桐壺」から「幻」までを訳出し、2冊に分冊。第1巻に「桐壺」から「朝顔」、第2巻に「少女」から「幻」までを収める。巻名は、Arthur Waley訳をそのままドイツ語訳する。Arthur Waley訳では、「鈴虫」を訳出していないため、本書にもこの巻はない。 |
Murasakishikibu/Herberth E.Herlitschka [1893- ] | ||
Herberth E.HerlitschkaによるArthur Waley訳『源氏物語』のドイツ語訳。1954年にInsel-Verlagから出版されたもののペーパーバック版(冊子番号26参照)。箱入りの2冊本セット。外箱のデザインは、円山応挙筆、国宝『雪松図屏風』の一部を用いる。本の表紙には、土佐光則筆『源氏物語画帖』。第1巻は「若紫」、第2巻は「松風」を掲載。内容は冊子番号26に同じ。但し、両巻の見返しには紫式部の紹介文を新たに載せる。〔大野〕 |
Murasakishikibu/Herberth E.Herlitschka [1893- ] | ||
Herberth E.HerlitschkaによるArthur Waley訳『源氏物語』のドイツ語訳。冊子番号27のペーパーバック版の再版。2冊本。但し、本の表紙は『源氏物語画帖』ではなく、2冊とも同じ江戸時代の役者絵を用いる。また、見返しには冊子番号27とは異なる『源氏物語』の説明文を載せる。〔大野〕 |
Hofdame Murasaki/Oscar Benl [1914-1986] | ||
『源氏物語』のドイツ語訳。Oscar Benl(オスカー・ベンル)による完訳である。2冊本。第1巻は「桐壺」~「藤裏葉」、第2巻は「若菜」~「夢浮橋」を収める。表紙は国宝『源氏物語絵巻』。第1巻は「鈴虫二」、第2巻は「夕霧」。 |
イタリア語 | ||
Murasaki-no-Shikibu/Ivo Domenichini | ||
本書は、1928年にKiku Yamata(キク・ヤマタ)によって部分的にフランス語訳された「Le Roman de Genji(源氏物語)」をIvo Domenichini(イヴォ・ドメニキーニ)がイタリア語訳したもの。「桐壺」~「葵」までを収める。巻名はない。本文中の和歌は、4行書き。会話中にある時は「―」で続ける。注は、Arthur Waley訳を参考にしている。 |
ハングル | ||
무라사키 시키부(紫式部)/전용신(田溶新)[1921- ] | ||
田溶新による『源氏物語』のハングル訳。全3冊。初版は1999年出版で、本書はその3版。1冊目は「桐壺」から「朝顔」、2冊目は「少女」から「幻」、3冊目は「匂宮」から「夢浮橋」を収める。各巻別に梗概を付す。底本は、『日本古典文学全集』(小学館)を使用。序文には、翻訳する際、下段の現代語訳を中心に訳し、必要な箇所は注から訳を取り入れ、翻訳しにくかったところは原文を参考にして意訳したとある。また、紫式部の略伝や『源氏物語』およびそれ以前の『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』などの作品について説明している。韓国では1973年に柳呈が『源氏物語』の翻訳を出しているが、それについて、底本が明記されていないことや、原本と相当異なることも指摘する。 |
ロシア語 | ||
Murasaki Sikibu/Tatiana L. Sokolova-Deliusina [1946- ] | ||
Tatiana L. Sokolova-Deliusina(タチアーナ・サカローヴァ・デリューシナ)による『源氏物語』の初のロシア語全訳。翻訳4冊と付録(関連論文等を含む)1冊の全5冊セット。1990年に第1巻と別巻が出たが、ソ連崩壊後の社会的混乱により中断。その後、日本のとある詩人から資金援助を受けて出版された。第1巻は「桐壺」~「明石」、第2巻は「関屋」~「梅枝」、第3巻は「若菜」~「椎本」、第4巻は「総角」~「夢浮橋」を収める。 |
Murasaki Sikibu/Tatiana L. Sokolova-Deliusina[1946- ] | ||
本書は冊子番号32の付録本。「『源氏物語』−その時代と作者」と題し、翻訳者Tatiana L. Sokolova-Deliusinaが、平安時代の歴史と文化、特に芸術や文学について解説する。また、『源氏物語』の注釈史にも触れ、藤原伊行『源氏釈』や藤原定家らについて述 べ、平安時代の日本国図・平安京図・内裏図(寝殿造)なども載せる。その他には、平安時代の政治制度、袴着、裳着、元服、結婚の儀式などの通過儀礼について述べる。『源氏物語』に登場する舞楽を図入りで解説。飛鳥井などの催馬楽の33の歌詞、平安時代の服装や時報制度など詳しく説明。最後に、『源氏物語』中の引歌一覧を付す。〔ガンデルスカ〕 |
Murasaki Sikibu/Tatiana L. Sokolova-Deliusina[1946- ] | ||
冊子番号32、33の再版本。Hiperionより出版。2巻にまとめる。第1巻は「桐壺」~「若菜上」、第2巻は「若菜下」~「夢浮橋」及び附録を収める。内容は初版と同じであるが、舞や琵琶、笛、琴などの図版が少なくなっている。 |
スペイン語 | ||
Murasaki Shikibu/Manuel Tabares | ||
Manuel Tabares(マヌエル・タバルス)による『源氏物語』のスペイン語訳。「夕顔」のみを訳す。題名の「Fugitiva」は、「逃亡者・はかない・つかのまの」の意。「夕顔」の原文が「御忍び歩きの頃」で始まるためか、御忍び歩きの光源氏と夕顔とのはかない逢瀬を表しているようで珍しい題名である。 |
Murasaki Shikibu/Fernando Gutiérrez | ||
Fernando Gutiérrez(フェルナンド・グティエレス)による『源氏物語』のスペイン語訳。初版は、Torre de Viento(トーレ・ビエント)から1992年に出版。本書はその第3版。「桐壺」~「葵」までを収める。巻名は、日本語をローマ字表記にするものが多いが、「紅葉賀」「花宴」のみ、「KOYO-SETSU」「LA FIESTA DE LAS FLORES」とする。本文は、Kiku Yamataによるフランス語訳(冊子番号30参照)を参考にしたとある。和歌は、3行書き、または4行書きである。 |
紫式部日記・紫式部集 | ||
/Annie Shepley Omori,Kochi Doi [1886-1979] | ||
Annie Shepley Omori(大森安仁子)、Kochi Doi(土居光知)による『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』の英訳。1920年にアメリカのHoughton Mifflinから出版。日本では、1935年に研究社が出版し、本書は1961年出版の改訂新版。カバーは寝殿造りの図。『更級日記』で1枚、『紫式部日記』で2枚、『和泉式部日記』で4枚、それぞれの場面にあわせた挿絵を載せる。 |
/Annie Shepley Omori,Kochi Doi [1886-1979] | ||
本書は、Annie Shepley Omori、Kochi Doiによる『更級日記』『紫式部日記』『和泉式部日記』の英訳(冊子番号37参照)。1920年に出版されたもののAms Press版。冊子番号37でも述べている各日記ごとの挿絵の他に、扉絵には、正装をした女房の立ち姿を掲載し、服装・調度などの図版も盛り込む。〔菅原〕 |
/Marc Logé | ||
Marc Logéによる『Diaries of court ladies of old Japan』(Annie Shepley Omori,Kochi Doi)のフランス語訳(冊子番号37参照)。本書は、1925年に「外国作家叢書」シリーズの1冊、『Journaux intimes des dames de la cour du vieux Japon』と題してPlon社から出版したものを、Philippe Picquier(P.ピキエ社)からタイトルを改めて出版。 |
Murasaki-shikibu/René Sieffert [1923- ] | ||
René Sieffert(ルネ・シフェール)による『紫式部日記』のフランス語訳。 |
Murasaki-shikibu/Dolors Farreny I Sistac | ||
René Sieffert訳『JOURNAL』(冊子番号40参照)のスペイン語訳。表紙は、大写しの引き目かぎ鼻の女性の顔。内容は、René Sieffertのものとほぼ同じである。〔菅原〕 |
/Richard Bowring [1945- ] | ||
Richard Bowring(リチャード・バウリング)による『紫式部日記』『紫式部集』の英訳。副題「Poetic Memoirs(和歌の自伝)」は、Phillip Harries(フィリップ・ハリーズ)の言葉を借りたものと翻訳者自身が記す。 |
/Richard Bowring [1945- ] | ||
本書は、Richard Bowringによる『紫式部日記』『紫式部集』の英訳(冊子番号42参照)から『紫式部日記』だけを抜粋し、Penguin Booksから出版。 |
/Pier Francesco Paolini | ||
Pier Francesco Paolini(ピエール・フランチェスコ・パウリーニ)による『MURASAKI SHIKIBU : Her Diary and Poetic Memoirs』(Richard Bowring 1982)のイタリア語訳(冊子番号42参照)。「Tempo ritrovato(テンポ・リトロヴァート)」シリーズの1冊。 |
/Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov [1951- ] | ||
Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov (アレクサンデル・メシチェリャコフ)による『紫式部日記』のロシア語訳。初版は1996年で、本書はその再版本。 |
/Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov [1951- ] | ||
Aleksandr Nikolaevich Meshcheryakov (アレクサンデル・メシチェリャコフ)による『紫式部日記』のロシア語訳。本書は、1997年にHiperion社から出版の『紫式部日記』のAzbuka(アズブカ)社版(冊子番号45参照)。 |
MURASAKI-SHIKIBU/René Sieffert [1923- ] | ||
René Sieffert(ルネ・シフェール)による『紫式部集』のフランス語訳。底本は、『新潮日本古典集成』(新潮社)。但し、底本の128首ではなく、古本系の陽明文庫本により、131(114首+日記歌17首)首を収める。 |
小説・入門書・研究書 | ||
Liza Dalby | ||
本書は、2000年に出版されたLiza Dalby(ライザ・ダルビー)による小説『紫式部物語』のAnchor Books版。ペーパーバック。表紙のデザインは、Timothy Hsuによる。扉絵には、月岡芳年[1839-1892]の「月百姿 石山月」を掲載。本文の前には、日本地図、京から越前への行程図、平安京図を載せる。 |
Ivan Morris [1925-1976] | ||
Ivan Morrisによる『光源氏の世界』。イギリスのOxford University Pressから出版。表紙は国宝『源氏物語絵巻』「竹河二」。口絵にも同じ絵の一部を使用。そでの部分には『源氏物語』が書かれた時代背景、著者Ivan Morrisについて、および表紙の解説を載せる。 |
Ivan Morris [1925-1976] | ||
Ivan Morrisによる『光源氏の世界』。本書は、アメリカのAlfred A.Knopf社から出版されたもの。ロンドンでOxford University Pressより出版されたものと同年に発行(冊子番号49参照)。表紙は、Jeanyee Wongによるイラストで、花のムラサキシキブと高欄を描く。序文の前に「To Arthur Waley」と献辞がある。副題からも分かるように、平安時代(本書では特に10世紀半ばから11世紀半ばまで)の宮廷生活の実態と『源氏物語』の世界を絡めた研究書であるが、序文には、一般読者のために書いたとある。 |
Ivan Morris [1925-1976] | ||
1964年にAlfred A.Knopf社が出版したIvan Morris『光源氏の世界』のCharles E.Tuttle Company版。表紙は国宝『源氏物語絵巻』「宿木二」。また裏にはIvan Morrisの写真と履歴を記載する。〔河〕 |
Ivan Morris [1925-1976] | ||
1964年にOxford University Pressが出版したIvan Morris『光源氏の世界』のPenguin Books版。表紙は『紫式部日記絵巻』の紫式部を藤原実成と藤原斉信が訪ねる場面。〔七田〕 |
Ivan Morris/Piero Parri | ||
Ivan Morris『光源氏の世界』のイタリア語訳。翻訳者はPiero Parri。表紙は国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫二」。ブックカバーには、平安時代の日本文学の説明とIvan Morrisの略歴を記す。本文はもちろん、脚注や付録に至るまで原書を忠実に翻訳しているが、巻末のIndexは省略。 |
Ivan Morris/Ursula Gräfe | ||
Ivan Morris著『光源氏の世界』のドイツ語訳。Ursula Gräfe(ウルスラ・グレーファ)による翻訳。表紙カバーは、国宝『源氏物語絵巻』「鈴虫二」の光源氏と冷泉院が対面する場面を用いる。 |
Edward G. Seidensticker [1921- ] | ||
Edward G. Seidenstickerによる『源氏物語』の翻訳日記。内容は、1970年1月17日から1975年1月3日まで。序文によると、1959年の元旦(Genji years)から『源氏物語』の翻訳を始めたが、1968年の後半と1969年には川端康成の作品の翻訳のために一時中断。本書は、翻訳を再開した1970年から1974年、さらに1975年(The last five Genji years)の記事。慎重にArthur Waleyの訳と対校したこと、大学の講義、巻名の訳し方の悩みなど、『源氏物語』を翻訳する過程と苦悩を綴る。 |
J.Thomas Rimer | ||
J.Thomas Rimerによる『伊勢物語』『源氏物語』『平家物語』「能」、日記、安部公房、井伏鱒二、上田秋成、遠藤周作、開高健、川端康成、太宰治、谷崎潤一郎、永井荷風、夏目漱石、森鷗外の作品などの日本文学全般の研究書である。付録の『竹取物語』の訳は、Donald Keene (ドナルド・キーン)による。 |
Andrew Pekarik | ||
「浮舟」を中心とした論文集。巻頭にIvan Morrisの思い出を載せる。巻末には事象索引でまとめた「浮舟」のあらすじ(底本は『日本古典文学大系』岩波書店)、巻名の英語対訳一覧(Edward G. SeindenstickerとArthur waley)、主要人物紹介、 『源氏物語』の鑑賞案内としての参考図書などを掲載。収録論文は、以下の通り。 |
Miyeko Murase [1924- ] | ||
源氏絵の解説書。表紙の絵は「浮舟」。宇治にやってきた匂宮が浮舟の侍女の侍従と対面する場面。裏表紙は表の匂宮と侍従の部分を抜き出したもの。第1章では『源氏物語』の解説をする。第2章は絵と絵詞を掲載。各巻2~9枚程度で、約240枚を載せる。中央に「若紫」「賢木」「絵合」「薄雲」「常夏」「野分」「若菜下」(2枚、2枚目は同じ絵の拡大図)「東屋」「浮舟」(表紙の絵)の10枚のカラーページがある。巻名は、Edward G. Seidensticker訳と同じ。本書の終わりには源氏物語絵の注釈書の一覧を載せ、解説を付す。 |
Miyeko Murase | ||
本書は、土佐派の源氏絵の解説書。副題の「legends」は「絵の説明」の意。土佐派の源氏絵を各巻毎に選び出し見開きの左頁に掲げ、右頁にその解説を付す。これらの解説は絵の説明であるとともに、それらを通読することにより、『源氏物語』の概要をつかめるものとなっている。表紙は「初音」、裏表紙は「浮舟」。内題の絵は、「夕霧」。はじめに、紫式部や『源氏物語』の説明がある。巻末には登場人物の紹介をアルファベット順で記載。巻名は、Edward G.Seidensticker訳と同じ。〔狩集〕 |
William J. Puette | ||
本書は、William J. Puette(ウイリアム・J・ピューエット)による 『源氏物語』の入門書。扉には、「螢」において玉鬘に物語論を語る源氏の言葉「かゝる、世の古事ならでは、げに、何をか、紛るゝことなきつれづれを慰めまし。」を引用し、「Were it not for these old romances, what would we do to beguile our idle hours?」と訳したものを記す。第1章は「源氏の世界」。第1節では、平安時代の宮廷文化について述べ、十二単などの挿絵、源氏香の図などを載せる。図は「桐壺」~「葵」の9図である(冊子番号1参照)。第2節では、神道、儒教、道教、仏教などの宗教観を説明。第3節では、「あはれ」と平安時代の和歌を紹介。第4節は紫式部の伝記について。第5節は 『源氏物語』の英語訳の説明。2章では『源氏物語』の「桐壺」から「葵」までの注釈を備えた詳細な大意と、「賢木」から「夢浮橋」までの要約を記載。第3章には物語の構造に関する疑問点などをあげる。巻末には、登場人物一覧、日本地図、平安京周辺図、大内裏図、内裏図を掲載。 |
William J. Puette | ||
本書は、William J. Puette(ウイリアム・J・ピューエット)による 『源氏物語』の入門書(冊子番号60参照)。1983年に、同社より出版されたもののペーパーバック版。内容は、構成、頁数にいたる |
Richard Bowring(リチャード バウリング) [1945- ] | ||
本書は、Richard Bowring(リチャード・バウリング)による『源氏物語』の解説書。1988年に出版されたペーパーバック版の初版。巻頭に、Ather Waley、Seidenstickerの巻名比較、及び人物相関図を載せる。第1章は、『源氏物語』の文化的背景、第2章は、「桐壺」から「須磨」、「明石」から「少女」、「玉鬘」から「藤裏葉」、「若菜」から「幻」、「匂宮」から「夢浮橋」と各章に分けて概要を記す。第3章は、文体、第4章が享受史や現代語訳などの状況について述べる。 |
Tosa Mitsunori [1583-1638] | ||
土佐光則筆『源氏物語画帖』の複製。全長10メートルの折本。箱入り。表紙は、朱色の布張り。中央に、白無地の題簽を付し、金文字で書名を記入。外箱の中央に「若紫」の一場面を貼付。「桐壺」「夕顔」「若紫」「花宴」「葵」「賢木」「花散里」「須磨」「明石」「関屋」「絵合」「松風」「薄雲」「朝顔」「初音」「篝火」「藤袴」「藤裏葉」「鈴虫」「幻」の20帖を選び、絵と詞書を掲載。後半は各場面の説明を載せる。 |
Gunilla Lindberg-Wada | ||
『古今和歌集』と『源氏物語』の関わりについての論文。手書きの日本語で書かれたサマリの小冊子を付す。特に「引歌」の効果の論考が中心となる。ここでの引歌の基準は、本文に『古今和歌集』と共通の一句があること、引歌によって『源氏物語』本文の潜在的な意味が明確になる、もしくは他の文学作品との関連の中での意味付けがなされることの2点。これにより引歌を含む文脈は188箇所となり、さらに引歌の効果をa「装飾的表現」b「含蓄のある表現」c「表現深化」d「認識の道具」の四つに部類し、188の文脈を、(1)対話、心中描写、手紙、(2)地の文、の二つに大別。(1)は元となる和歌を想起して初めて本文の意味が掴めるもので、上記のa、bに相当。(2)は元になった和歌を想起した時の方が意味の範囲がより広くなるものでありc、dに相当する。以上の分析により引歌は男女間の感情を表現する役割が多いこと、非日常空間で使用されていることを証明する。巻頭に平安京図等、巻末には毛筆書きの古今集歌、巻中に『源氏物語絵巻』からの挿絵なども掲載する。 |
Haruo Shirane [1951- ] | ||
Haruo Shirane(ハルオ・シラネ)による『源氏物語』の研究書。ペーパーバック。表紙は、作者未詳『柳橋水車図』。1987年に全米で出版された人文科学の全分野にわたる学術研究書のうち、最もすぐれた研究書の1冊に選ばれた。 |
Haruo Shirane [1951- ]/鈴木登美 北村結花訳 | ||
1987年出版のハルオ・シラネ著『The Bridge of Dreams :A Poetics of 'The Tale of Genji'』の日本語訳(冊子番号65参照)。訳出の方法は、北村結花の訳に鈴木登美が手を加える。また、序は鈴木の訳による。表紙は、原著と同じ『柳橋水車図』。第3部の途中にあった国宝『源氏物語絵巻』8頁は省略。 |
Norma Field [1947- ] | ||
Norma Field(ノーマ・フィールド)による『源氏物語』の研究書。表紙、裏表紙、中表紙は、国宝『源氏物語絵巻』「夕霧」。内容は主に『源氏物語』の女性たちに対する言及を行う。序においては『源氏物語』の享受史や近代以降の現代語訳、翻訳について、平安時代の支配構造、一条朝後宮の状況や他の女流文学にも触れる。第1章は「Three Heroines and the Making of the Hero」と題し、藤壺、六条御息所、明石の君を取り上げ、光源氏という主人公像の形成過程を論じる。第2章は「A Minor Heroine and the Unmarking of the Hero」の題で玉鬘などを傍流のヒロインと位置づけるとともに、源氏の変化を六条院の様子などを通して述べ、第3章「A Substitute for All Seasons」は紫の上の生涯に関する論考を中心にして源氏の晩年にまで言及する。第4章は「Woman Beyond the Capital」として宇治十帖の解説をする。論考にあたっては現代の各注釈書や『湖月抄』、玉上琢弥による現代語訳などを参考にした。論考中の『源氏物語』からの引用の訳は基本的に著者自身の手による。 |
Mitsuko Kawai[1921- ] | ||
Mitsuko Kawai(河井美津子)による『源氏物語』の紹介書のポルトガル語版で、本書は第2版。 |
Doris G. Bargen | ||
Doris G. Bargenによる『源氏物語』の研究書。ペーパーバック。表紙は、横川の僧都の手によって剃髪しようとしている浮舟の絵(『源氏物語図屏風』)。 |
Murasaki Shikibu/切り絵 宮田雅之 [1926-1997],序文 瀬戸内寂聴 [1943- ],エッセイ ドナルド・キーン [1922- ],英訳 H.Mack Horton [1952- ] | ||
本書は、切り絵画家宮田雅之が『源氏物語』54巻の各巻に1枚ずつ書いた挿絵を中心に構成し、各巻のあらすじを1頁で簡潔にまとめ、日英対訳で付したもの。英文は、H.Mack Horton担当。和文の監修は高木和子(関西学院大学講師)。巻頭に、瀬戸内寂聴の序文、ドナルド・キーンのエッセイを載せ、それも日英対訳になっている。両者ともに絵画と物語の結びつきによる効果を説く。瀬戸内は「「源氏物語」と絵画」と題し、「絵合」を例にあげ、平安朝の絵画をめぐる教養を中心に述べる。キーンは「「源氏物語」の再現」と題し、国宝『源氏物語絵巻』をとりあげ、物語が芸術作品として受容されていた側面を強調。本書における宮田の挿絵の独自性や芸術性を評価する。巻末には主要人物系図を掲載。 |
Murasaki Shikibu/Jane Reichhold with Hatsue Kawamura | ||
本書は、Jane Reichhold(ジェイン・ライチホールド)とHatsue Kawamura(川村ハツエ)による『源氏物語』の解説書。表紙は、紫を基調に藤の花をあしらったもの。「桐壺」~「藤裏葉」までの解説と和歌を載せる。各巻名の下に、当該年における光源氏の年齢を明記。各巻冒頭には、『源氏物語』の和歌に与謝野晶子の歌も載せる。和歌はローマ字を左に、英訳を右に載せて対応。本文の左右にも白黒で藤の花を配し、そこに注を付す。巻頭は、翻訳本などの説明や登場人物紹介、あとがきでは、紫式部のこと、『万葉集』から俵万智までの短歌の説明を簡潔に述べる。 |
漫画 | ||
Murasaki Shikibu/画 つぼいこう[1951- ],監修 清水好子[1921- ],英語監修 小中陽太郎[1934- ],英訳 Alan Tansman[1960- ] | ||
つぼいこうによる漫画版『源氏物語』の英訳。訳は、Alan Tansman(アラン・タンスマン)による。「光」「嵐」「華」「幻」「夢」と題する5章に全体を分ける。本文の前にカラーページが4頁。見開きで人物相関図を付す。「桐壺」から「夢浮 |
Yamato Waki/Keiko Sato,Hedi Hahn | ||