内大臣は、最近引き取った近江の君の軽々しさに困惑し、その処遇を娘の弘徽殿女
御に委ねた。女御の所へ行ったついでに、その近江の君が侍女の五節と双六をして
はしゃいでいるさまを妻戸より覗き見するにつけ、改めて嘆きを深くするのである。
『源氏物語別本集成 第6巻』の[261746]以下の場面に該当する。
〉〉〉 「消息」(常夏2) 〈〈〈
近江の君は、弘徽殿の女御への消息文に撫子の花を付けて送った。書風といい送り様
といい、珍妙で非常識の極みである。女御は相手が妹であるだけに苦笑してそっと置
き、女房の中納言の君に判読しての代筆を促す。喜劇仕立てで展開する場面である。
『源氏物語別本集成 第6巻』の[262395]以下の場面に該当する。