新造の六条院における初春である。春の町の紫の上の御殿では、女房たちが今年
も幸多かれと祈って、長寿を祝う歯固めの儀式をしている。そこへ光源氏が顔を
のぞかせた。女房たちは気ままな祝い言を聞かれ、きまり悪く恐縮するのだった。
『源氏物語別本集成 第6巻』の[230045]以下の場面に該当する。
新春に光源氏は二条の東院にも足を向ける。かつてはみごとだった末摘花の
黒髪も今では年ごとに衰え、白髪も混じる横顔である。光源氏は、まともに
向き合うこともせず、彼女の容姿と着物の不調和を心苦しく思うのであった。
『源氏物語別本集成 第6巻』の[230924]以下の場面に該当する。