夕顔の忘れ形見である玉鬘は太宰少弐一家のもと、筑紫で成長した。肥後の
豪族からの強引な求婚を逃れるために玉鬘たちは都へ上る。十六年ぶりの京
であった。九条の場末に宿を定め、市女商人の中でわびしい日々を過ごす。
『源氏物語別本集成 第6巻』の[221342]以下の場面に該当する。
光源氏は女性たちに贈る正月の装束を、紫の上と整える。各人の器量にふさ
わしいものを見立てた。紫の上は葡萄色、明石姫君は桜色、花散里は薄藍色、
玉鬘は山吹色、末摘花は柳色、明石御方は濃紫色、空蝉尼君は青鈍色である。
『源氏物語別本集成 第6巻』の[224104]以下の場面に該当する。