紅葉が映える九月末の逢坂関でのこと。石山詣での光源氏は、東国に夫
と下っていた空蝉一行の帰京と偶然行き会うことになった。十二年ぶり
である。空蝉の弟小君を呼び寄せて、姉への人目を避けての伝言を託す。
『源氏物語別本集成 第4巻』の[160154]以下の場面に該当する。
空蝉の夫は、帰京後まもなく老衰で亡くなる。子供たちには、継母で
ある空蝉を大事にせよと遺言する。空蝉は、老受領の後妻としてのお
のが半生を嘆き、また継子の恋慕をはかなく思い、人知れず出家する。
『源氏物語別本集成 第4巻』の[160405]以下の場面に該当する。